米控訴裁、Anthropicの国防総省制裁差し止めを却下
ワシントンDCの連邦控訴裁判所がAnthropicの緊急申し立てを却下。トランプ政権が2月に下した国防総省による供給チェーンリスク認定が確定し、同社は美国初の指定対象となった。
ワシントンDCの連邦控訴裁判所は2026年4月8日、Anthropicが国防総省によるAIモデル「Claude」の供給チェーンリスク認定の差し止めを求めた申し立てを却下した。トランプ政権による制裁が確定し、米国企業としては初めてこの指定対象となった。
国防総省の指定と背景
Pete Hegseth国防長官は2月下旬、Anthropicを供給チェーンリスクとして公式指定。同社はこれに異議を唱え、仮処分を求める訴訟を起こしていた。
同社の「Claude」は監視やロボット兵器への利用など、特定の用途において安全保障上の懸念があるとされた。Anthropicはこれに応じ、こうした用途のためのセーフガードを緩和することを拒否している。
裁判所の判断
控訴裁判所は、Anthropicが「その程度の取り返しのつかない害を被る可能性がある」と認めた。しかし同時に「同社の利益は主として財務的性質である」と判断し、申し立てを却下した。トランプ政権の判断を追認する形となった。
分裂する判決
興味深いことに、別件でサンフランシスコの連邦裁判所は先月末、Anthropicに有利な仮差し止め判決を下している。同判決はトランプ政権がClaudeの使用禁止を施行することを禁じるもので、二つの裁判所の判断が対立している状況である。
AI企業への含意
この判例は、AIセキュリティをめぐるトランプ政権の強硬姿勢を示すとともに、業界全体に波紋を投じるだろう。AI開発企業が安全保障上の懸念に如何に対処するか、規制と安全性のバランスをいかに取るかが、今後の課題となる。
Anthropicは次の段階として、さらなる法的措置を講じる可能性があるが、現在のところその方針は明らかになっていない。