南米最大の市場で、チャットボットをめぐる“ルールの書き換え”が始まろうとしています。ブラジルの競争監督機関が、WhatsAppが第三者のAIチャットボットをビジネスAPI経由で使うことを禁じる方針について、一時停止を求めるとともに、その方針が反競争的かを調べる調査を始めました。判定次第では国内外のプラットフォーム規制に影響が及ぶ可能性があります。

ビジネスAPIとは何か

ビジネスAPIは、企業がWhatsAppを通じて顧客とやり取りするための開発者向け接続機能です。例えばカスタマーサポートの自動応答や予約確認に使われます。今回の争点は、この接続を通じて外部のAIチャットボットを使えるかどうかです。

なぜ今、調査が始まったのか

監督機関は、WhatsAppの方針が第三者の参入を妨げ、市場の競争を損なう恐れがあるかを問題視しています。言い換えれば、新しいプレーヤーが顧客にサービスを届けにくくなるか、あるいは既存企業の競争力を守るための措置なのかを見極めたいのです。市場の“門戸”が閉まるのか、それとも開かれるのか。ここが焦点になります。

市場と利用者に与える影響

第三者AIチャットボットを提供する企業は、WhatsAppのAPIを使って顧客対応を自動化しています。小さなスタートアップがカスタマーサポート用のチャットボットで成長する——そんな道が塞がれると、新しいサービスや利便性が減る可能性があります。一方で、プラットフォーム側が安全性や品質を確保したいという意図もあります。消費者にとっては、選択肢の増減やサポートの質の変化が直結する話です。

見逃せないポイント

  • 調査の結論次第で、他の大手プラットフォームにも波及する可能性があること。
  • 競争の促進とプラットフォームの安全性をどう両立させるかが鍵であること。
  • 小規模事業者にとっては、規制対応のコストと機会の両方が変動すること。

今後の展開と注目点

現時点で最終結論は出ていません。報道ではWhatsAppは要請に従う見込みとされていますが、調査の中身とその後の方針が注目点です。望ましい落としどころは、競争を促しつつユーザー保護と信頼性を損なわないガバナンス枠組みの構築でしょう。透明性の高い手続きと適用範囲の明確化が実現すれば、他国の規制議論にも示唆を与えるはずです。

今回の動きは、単なる国内の規制問題に留まりません。デジタルサービスの“使い方”と“ルール”がこれからどう整えられるかを占う、重要な試金石になりそうです。今後の発表に注目してください。