Samsung スマートフォン事業、初の年間赤字へ――AI メモリ需要が高騰
Samsung の携帯電話部門が 2026 年度初の赤字に直面する見通し。AI データセンター向け需要で急騰したメモリ価格が、スマートフォンの原価を圧迫。値上げでも賄い切れず。
初の赤字、Samsung Mobile 部門の危機
Samsung の Mobile eXperience(MX)部門トップ TM Roh は経営幹部に警告を発した。2026 年度の完全赤字が避けられない見通しだという。同部門の赤字は企業史上初。かつてスマートフォン市場で世界的な地位を占めた Samsung にとって、深刻な転機が訪れている。
メモリ価格が 90% 急騰
背景にあるのは、AI データセンター需要による DRAM・NAND フラッシュメモリの供給逼迫だ。2026 年第 1 四半期だけでメモリ価格は約 90% 上昇した。
AI 産業が消費する高性能メモリチップの割合は全世界で約 70%。スマートフォン製造業者は残された 30% の供給量で競争を強いられている。
原価率が急上昇、値上げ戦略も限界
Samsung の旗艦モデルでは、部品コスト全体の 40% 以上がメモリで占めるに至った。プレミアム端末の原価は A$155~230 上昇したと業界分析家は指摘する。
Samsung は複数機種の価格を引き上げ、コスト上昇に対処しようとしたが、それでも収益性の低下を止められていない。価格上昇による需要減少と、相対的に利益率が低い中堅機種への市場シフトが同時に進行しているためだ。
業界全体を襲う「メモリショック」
この危機は Samsung 固有の問題ではない。スマートフォン全体の出荷が歴史的な減少に向かいかねないという業界警告も出ている。メモリ供給の奪い合いが激化する中、多くのメーカーが同様の経営危機に直面することになりそうだ。
AI インフラ投資が加速する一方で、コンシューマーデバイス産業がその代償を被る──世界的な AI 時代の転換が、企業経営にも大きな歪みをもたらし始めている。