TikTokは、会話型AIが商品を提案する「Shopping Assistant」と、フィードから離脱せずに購入できる「Buy Direct」機能を発表した。ユーザーの好みや過去の購入履歴を踏まえ、商品詳細・配送情報・サイズ・在庫をリアルタイムで案内し、フォーユーフィードから直接ワンクリックで購入まで完結させる狙いだ。

アプリ内で購入を完結させる設計

Shopping Assistantは、ユーザーとの会話を通じて文脈を理解し、好みや要望を記憶しながら商品を提案する。商品詳細・送料・サイズ・在庫・購入情報を1つの会話の中で一括して提供する仕組みで、TikTok側はChatGPTのような外部AIツールへのユーザー流出を防ぐ意図があるとみられる。Buy Directは、アルゴリズム駆動の主要フィードであるフォーユーから直接購入できる機能で、Salesforce、Shopify、Shoplazza、Stripeと連携して提供される。

ソーシャルコマースでの存在感

TikTokによれば、2025年の米国TikTok Shop売上は約158億ドルに達し、米国のソーシャルコマース全体の約18%を占める。2026年の米国GDPへの貢献度は810億ドル、商品購入後もTikTokを利用し続けたユーザーは5400万人に上るという。Kantarの調査では、マーケターの84%がTikTok広告を実施しており、2027年に広告費を増やす計画を持つプラットフォームの第1位にランクされた。

広告ビジネスとAIエージェントの融合

今回の発表は、TikTokが「広告週間(Ad Week)」の一環として広告主向けに打ち出したAI活用施策の一部だ。発見(Discovery)から購買行動(Action)、成果計測(Measurable Business Outcomes)までを一体化させる方針を示しており、プラットフォーム内でのAIエージェント活用を広告収益の強化に直結させる狙いが見える。

ユーザーにとっては、商品検索から購入までのステップが短縮される一方、会話型AIが購買行動をどこまで誘導するかという点は注視が必要だ。OpenAIがChatGPT内でショッピング機能を強化する動きを見せる中、TikTokも自社プラットフォーム内でAIエージェントとコマースを一体化させることで、ユーザーの滞留時間と購買データを手放さない戦略を鮮明にしている。