2026年の夏から秋にかけて、Claude Codeは週単位で大きな機能追加を続けている。アップデートのペースが速すぎて「気づいたら全然違うツールになっている」という声も聞こえるほどだ。

直近のアップデートをざっとまとめると、8月末から9月にかけての3週間だけでこれだけの変化があった。

  • Week 36(8/31〜9/4): Claude Fable 5.1搭載、バックグラウンドコンピュータ使用、ライブdiffパネル、/skill-doctor
  • Week 37(9/7〜9/11): プラグインテスト機能(claude plugin eval)、Desktopウィンドウの独立表示
  • 9月17日〜: Projects並列エージェントワークフローのベータ開始

この記事では、今すぐ試せる4つの主要変更を詳しく解説する。


Claude Fable 5.1:コーディング特化の最強モデルが使えるようになった

Anthropicが9月初旬にリリースしたClaude Fable 5.1が、Claude Codeで利用可能になった。fable という短いエイリアスで呼び出せる。

Fable 5.1の何がすごいのか

Fable 5.1は「コーディングとナレッジワーク向けの最高峰モデル」として位置づけられている。最大の特徴は100万トークン(1M)のコンテキストウィンドウだ。

100万トークンとはどの程度の量か。平均的なPythonリポジトリ(数万行)なら余裕で入る。「コンテキストが溢れてClaudeが前の会話を忘れた」「大きなファイルを分割しないと読めない」といった問題がほぼ起きなくなる。

特に効果が出やすい場面は次のようなものだ。

  • 大規模リファクタリング(複数ファイルにまたがる変更)
  • レガシーコードの解析(長大なファイルを丸ごと読ませる)
  • 設計ドキュメントと実装の両方を参照しながらのコーディング

Claude Codeでの切り替え方

切り替えは一行で完了する。

/model fable

実行するとFable 5.1に切り替わり、設定が保存されて次回セッション以降も使われる。v2.1.257以降が必要なので、古いバージョンを使っている場合はまずアップデートすること。

なお、Claudeアプリのゲートウェイセッション(claude.aiのブラウザ版など)では fable は引き続きFable 5を指す。Fable 5.1を明示的に使いたい場合は /model claude-fable-5-1 と入力する。


バックグラウンドコンピュータ使用:Claudeがアプリを操作している間も仕事を続けられる

Claude Codeのコンピュータ使用機能は2026年春に登場したが、最初はフォアグラウンド(全画面)でしか動かなかった。Week 36のアップデートで、macOSのバックグラウンドでアプリを操作できるようになった

従来の制限と何が変わったか

従来の「フォアグラウンドのみ」という制限は実用上かなり大きな問題だった。ClaudeがXcodeでビルドを実行したり、ブラウザでドキュメントを調べたりしている間、ユーザーは別の作業ができなかった。

バックグラウンド対応により、ClaudeがXcodeやFigma、ブラウザを操作している間も、ユーザーはエディタや別のアプリで普通に作業を続けられる。Claudeが完了したら通知が届く仕組みだ。

設定方法

  1. Claude Code Desktopアプリを開く(macOS、Pro/Maxプランが必要)
  2. コンピュータ使用の許可カードが表示されたら「Enable」ボタンをクリック
  3. 操作を許可したいアプリを個別に承認する(Xcode、Figma、ブラウザなど)
  4. 以降はClaudeが許可済みアプリをバックグラウンドで操作できる

セキュリティ上、アプリは個別に許可する設計になっている。「全アプリ一括許可」はなく、ユーザーが明示的に承認したアプリだけが対象だ。

現在はmacOSのPro/Maxプランのみのベータ。Windowsや他プランへの対応は今後の予定。


ライブdiffパネル:コード変更をリアルタイムで横に表示

地味だが作業効率に直結する機能がライブdiffパネルだ。

従来の課題

以前も /diff コマンドで変更内容を確認できたが、毎回「ビューアーを開いて確認して閉じる」という操作が必要だった。Claudeが複数ファイルを編集するような大きな作業では、都度ビューアーを開き直す手間が積み重なっていた。

新しいdiffパネルの動作

/diff を実行すると、会話の横にパネルが開き、Claudeがファイルを編集するたびに自動で更新される。変更されたファイル名と追加/削除された行数が常に表示される。

さらに便利な機能として、パネル内の行をマウスで選択すると、その変更箇所を次のプロンプトに自動添付できる。「このロジックを変えてほしい」「ここの実装方針を説明して」という指示が格段にやりやすくなった。

使い方

> /diff

これだけだ。もう一度 /diff を実行するか、パネルの「✕」をクリックすると閉じる。

動作条件は以下の通り。

  • フルスクリーンレンダリングが有効になっている
  • gitリポジトリの中で作業している
  • ターミナルの幅が110列以上

幅が足りない場合はターミナルウィンドウを広げるか、フォントサイズを小さくするといい。


Projects:複数エージェントが並列でコードを書く

9月中旬にベータが始まったProjects機能は、Claude Codeの方向性を示す象徴的な変化だ。

Projectsで何ができるか

ゴール(目標)を入力すると、コーディネーターエージェントが作業を分割し、複数の「スレッド」に振り分ける。それぞれのスレッドが独立したクラウドセッションとして動作し、コードを書いてプルリクエストを開いてテストを実行する。

たとえば「ユーザー認証機能を追加して、ユニットテストも書いてREADMEも更新して」と伝えると、次のような並列実行が起きる。

  • スレッドA: 認証機能の実装
  • スレッドB: ユニットテスト作成
  • スレッドC: README更新

3つが同時に走るため、順番に処理するより大幅に速く完了する。各スレッドの進捗はメインチャット画面で確認でき、モバイルからも状況を把握できる。

Claudeはクロススレッドのコンテキストを持つため、スレッドAが書いた認証コードの仕様をスレッドBが理解してテストを書く、といった連携も行われる。

現在の利用条件

項目状況
対象プランPro、Max(クラウドセッションON)
Team/Enterprise後日対応予定
ローカル実行後日対応予定
現在の提供形態一部ユーザー向けベータ

使えるかどうかはClaude Codeアプリ内で確認できる。


AGENTS.mdサポート:他社ツールのプロジェクト指示をそのまま使える

あまり注目されていないが、実用的な変更としてAGENTS.mdファイルのサポートがある。

Claude CodeはもともとCLAUDE.mdファイルを読んで、プロジェクト固有の指示(コーディングルール、使用ライブラリ、注意事項など)を受け取っていた。最新版では、OpenAIのCodingエージェントなど他社ツールが採用するAGENTS.mdファイルも認識するようになった

CLAUDE.mdとAGENTS.mdの両方がある場合は両方読む。他社ツールと共有するリポジトリにAGENTS.mdが置いてあれば、Claude Codeはそれをそのまま活用できる。

チームで複数のAIコーディングツールを使い分けている環境では、プロジェクト指示を一本化できるメリットがある。


どれから試すか

機能必要なプラン対応OS使い方
Claude Fable 5.1全プラン全OS/model fable
ライブdiffパネル全プラン全OS/diff
バックグラウンドコンピュータ使用Pro/MaxmacOSDesktop設定で有効化
Projects並列エージェントPro/Maxクラウドセッションベータ参加後

一番手軽に効果を感じられるのはFable 5.1への切り替えだ。コマンド一行で完了し、特に大きなリポジトリや長い会話で違いが出やすい。

ライブdiffパネルも条件さえ合えば即日使えて、複数ファイルを扱う作業の見通しが大きく改善する。

バックグラウンドコンピュータ使用とProjectsは対象が限られるが、対応環境にある人にとってはAIとの協働スタイル自体が変わる機能だ。週単位で進化するClaude Codeから目が離せない。