米国の金融規制当局が Anthropic の最新AI モデル「Claude Mythos」がもたらすサイバーセキュリティ脅威に関する協議を主要銀行幹部と実施した。スコット・ベッセント米財務長官はワシントンの財務省本部に主要銀行の経営陣を召喚し、今週会議を開催。ジェローム・パウエルFRB議長を含む複数の銀行トップが出席した。

政府による懸念と協議の背景

Claude Mythos は Anthropic が先週発表した最新型AI モデルで、特にサイバーセキュリティと脆弱性検出の能力が極めて高度だと報告されている。同モデルは既に数千のゼロデイ脆弱性を特定済みとされ、防御的セキュリティ業務に特化して設計された。

米政府当局は、このような高度なサイバーセキュリティ能力を有するAI モデルが金融機関に与える潜在的脅威について、銀行幹部の見方を聞くため官邸に召喚を行ったと見られる。サイバー攻撃の能力向上に伴い、金融システムの安全保障上の懸念が高まったものと考えられる。

参加機関と協議内容

会議にはアメリカの主要銀行グループが参加した。Mythos のセキュリティ能力が金融機関のインフラに及ぼす可能性のある影響や、悪意のあるアクターによる利用リスクが協議の中心と推定される。

本会議は、新興AI 技術と既存の金融規制枠組みのギャップが拡大する中で、政府当局が民間金融機関と直接的な意見交換を始めたことを示している。

業界への影響

今回の召喚会議は、Anthropic の最新モデル発表に対する米政府の危機感を表している。高性能なセキュリティAI の社会への影響に関する規制枠組みの検討が加速する可能性がある。

金融機関を含む企業セクターは、今後のAI セキュリティ規制の方向性を注視することになるだろう。

アップデート(2026年5月18日)

Anthropic はその後、世界的な金融規制当局に対して Claude Mythos が発見した脆弱性について説明する briefing を実施する方針を発表した。Financial Stability Board(FSB)は Bank of England の Andrew Bailey 総裁が議長を務め、G20 加盟国の金融規制当局を代表している。

FSB は Google AI、OpenAI など複数の AI 企業との協議を進めており、AI が金融システムに及ぼす影響についての報告書を来月に発表予定だ。Mythos は「数千の重大なセキュリティ欠陥」を各主要 OS とブラウザで特定したとされ、これらの脆弱性の内容が国際的な金融規制機関に報告されることになる。

現在、Amazon・Microsoft・JPMorgan Chase など約 40 組織が Mythos にアクセス可能な状況が続いており、ホワイトハウスは Anthropic に対して一時的な配布制限を要求している。IMF が「マクロファイナンシャルショック」の可能性を警告する中、 Anthropic の主動的な報告は規制当局との信頼構築の重要なステップとも考えられる。