米国防省の Cyber Command は、AI が脆弱性検出能力の急速な進化に対応するため、新たなタスクフォースを立ち上げた。OpenAI や Google を含む複数企業の AI モデルを Pentagon と NSA の最も機密度の高いネットワークに配備する計画だ。

Claude Mythos が引き金に

この動きの背景にあるのは、Anthropic が 4月に公開した Claude Mythos の登場だ。同社は当初、アクセスを制限していた。理由は明確。「セキュリティ脆弱性を人間の最高のハッカーより高速に発見できる」AI の悪用が、経済と国家安全保障に重大な被害をもたらす可能性があるからだ。

Anthropic は公開時、同レベルの機能を持つツールが 6~24 カ月以内に広く利用可能になる可能性があると警告している。つまり、米国の敵対国もこうしたツールを手にする可能性があるということだ。

軍の対抗戦略

General Joshua Rudd 率いる Cyber Command は、この脅威に先制対応する姿勢を見せている。OpenAI や Google を含む複数の「シリコンバレー企業」の AI モデルを、Pentagon と NSA の「high-side」システム——最高機密レベルのネットワーク——に配備する計画を発動させた。

NSA の AI Security Center が技術的な専門知識を提供し、Cyber Command の幹部が取り組みの指揮をとる体制が整った。

脅威の本質

脆弱性検出は単なるセキュリティの問題ではない。デジタルシステム全体の強度を握る課題だ。防御側(米国)が攻撃側(潜在的な敵対国)より高速に脆弱性を発見・修正できるかどうかが、サイバー領域での優位を左右する。

6~24 カ月という短い窓口の中で、米軍が同等以上の能力を自社・提携企業の AI で確保する必要があるというのが、軍事指導部の判断だ。

検証と展開

AI Security Center による技術的検証を経て、classified network への段階的な配備が進むと見られる。Public では詳細が明かされていないが、military decision-making を加速させることが主眼だと考えられる。

今後、このタスクフォースの成果が国防政策に大きな影響を与える可能性がある。AI 脆弱性検出の軍事的活用が、防御・攻撃両面で競争領域となることは確実だ。