Anthropic、Claude Fable 5.1発表——コーディング性能倍増、複雑な作業は最大45%値下げ
Anthropicが新型モデルClaude Fable 5.1とMythos 5.1を公開。科学研究ベンチマークで前世代の2倍以上のスコアを記録し、キャッシュ読み込み料金を75%削減。エージェント型コーディングの長時間実行コストを抑える設計だ。
Anthropicは2026年9月1日、新型モデル「Claude Fable 5.1」と「Claude Mythos 5.1」を発表した。コーディングと研究性能を前世代から大きく引き上げつつ、長時間の自律実行にかかるコストを最大45%削減する設計だ。Fable 5.1は即日、AWS・Google Cloud・Azure・Anthropic APIで一般提供が始まっている。
ベンチマークで前世代の2倍以上のスコア
科学研究能力を測るTerminal-Bench-Scienceでは、Fable 5.1が52.6%を記録し、前世代Fable 5の24.7%から2倍以上に伸びた。エージェント型コーディングを測るTerminal-Bench 4.0でも、Fable 5.1は55.8%、上位モデルのMythos 5.1は60.9%とさらに高いスコアを出している。総合指標のArtificial Analysisスコアでも66を記録し、Opus 5の63、GPT-5.6 Solの61を上回った。
コスト構造の見直し——長時間タスクほど割安に
入出力トークンの基本料金は1百万トークンあたり入力10ドル・出力50ドルとFable 5から据え置きだが、キャッシュ読み込み料金は1ドルから0.25ドルへと75%引き下げられた。通常のタスクでは約25%、多数のツール呼び出しを伴う複雑なエージェントワークフローでは最大45%のコスト削減になるという。長時間・多ステップで動かす開発者向けの用途を強く意識した価格設定だ。
セーフガードの誤検知を大幅削減
Anthropicは、モデルの安全フィルタが正常な質問まで過剰にブロックしていた問題への対応も進めた。生物学分野では初等的な生物・医学に関する質問への誤検知を85%削減し、サイバーセキュリティ分野でも脆弱性発見に関する誤検知を60%減らしたとしている。一方でサイバーセキュリティ関連の高度な機能や生命科学の検証プログラムは、Mythos 5.1として米国内の登録パートナーのみに制限されている。
データプライバシー機能も追加
秋以降に段階展開される「Enterprise Frontier Safeguards」では、企業のデータが顧客自身のクラウドインフラに保存される仕組みが導入され、Anthropic側でのデータ保持がなくなる。監視方法を企業側でコントロールできる点も特徴だ。
科学分野での応用実績を強調
Anthropicは今回、モデル自体の性能に加えて実際の科学研究での成果も公表した。タンパク質設計コンテストでは既存最高記録の10倍の結合親和性を達成し、12のターゲットで約50%のヒット率を記録した(業界標準は10〜15%)。また、NASAのマゼラン計画による30年前の金星レーダー画像を解析し、従来10〜20kmだった地形図の解像度を2〜3kmまで向上させたという。
読者への影響
Fable 5.1は既存のFable 5ユーザーがそのまま乗り換えられる形で提供されており、コーディング用途で日常的にClaudeを使う開発者にとっては、性能向上とコスト削減を同時に得られる更新となる。一方でArtificial Analysisは、最大努力設定で使った場合のコストがFable 5より高くなる可能性を指摘しており、実際の運用コストは利用パターン次第で変わる点には注意が必要だ。