EU 規制が WhatsApp のプラットフォーム開放を強制、ChatGPT が EEA で復帰
EU 当局が Meta に対する臨時措置により、WhatsApp でライバル AI が利用可能に。OpenAI は ChatGPT を EEA(欧州経済領域)で 7 月 13 日から再度提供開始。同時に Kakao・Viber へも拡大、メッセージング多角化を加速。
EU の規制判断が、プラットフォームの相互運用性をめぐる競争構図を塗り替えた。欧州委員会は 6 月、Meta に対して臨時措置(interim measures)を発令し、WhatsApp でのライバル AI チャットボット接続を強制。これを受けて OpenAI は 7 月 13 日、ChatGPT の WhatsApp 統合を EEA(欧州経済領域)で再度開始した。
規制による強制開放
Meta は 2026 年 1 月に WhatsApp から ChatGPT、Microsoft Copilot、Perplexity を排除した。プラットフォーム内での Meta AI の地位を独占する狙いだったが、EU 当局はこれを反競争的と判断。臨時措置の形で、ライバル AI へのアクセス許可を命じた。
OpenAI の再参入は、この規制決定の直接的な結果だ。ユーザーは WhatsApp 内で認証なしに「1-800-CHATGPT」コンタクトにアクセスでき、テキスト・画像アップロード・音声メッセージ・画像生成機能が利用可能になった。
グローバル展開への活用
興味深い点は、OpenAI が EU での復帰と同時に、他地域でのメッセージング統合を拡大していること。Kakao Messenger(韓国)、Viber(その他市場)への展開を発表した。これは単なる EU 対応ではなく、メッセージングプラットフォーム全体へのグローバル戦略展開を示唆している。
背景となるモデルは GPT-5.5、画像生成リクエストは gpt-image-2 にルーティングされる。テクノロジー選択も確定し、実装は一定の成熟度に達している。
Meta への圧力、業界への信号
Meta にとっては、プラットフォーム支配力に対する EU の警戒姿勢が明らかになった局面だ。欧州デジタル市場法(DMA)が厳格に適用される環境では、単独での排他的施策は短期間で転覆する。
一方、業界全体にとっては、EU 規制がプラットフォーム間の相互運用性を推し進める方向性が確定した信号になる。OpenAI、Microsoft、Perplexity などの複数プレイヤーが同じプラットフォーム上で競争できるモデルが、少なくとも欧州では制度的に保証されることになった。