Claude Cowork がどのように使われているのか。Anthropic は 120万以上のセッションデータを分析し、その実態を公開した。浮かび上がるのは、AIエージェントが「ホワイトカラー層の嫌いな仕事」を引き継ぎつつあるという現実だ。

ビジネスプロセスと文案作成が 50%

Anthropic の分析によれば、Cowork の利用の半分は「接続的な仕事」に費やされている。ステータスレポート作成(33.4%)、コンテンツ作成・文案作成(16.4%)がそれだ。スプレッドシートの調整、オンボーディングチェックリストの作成、スライド資料の組み立て。言い換えれば「誰かが書いた情報を整理し直す」「複数の文書から共通点を引き抜いて報告書にする」といった作業だ。

残りはソフトウェア開発(8.7%)、インフラ運用(7.0%)、調査業務(6.4%)、データ分析(5.8%)などに分散している。開発タスクは Claude Code に集約される傾向が見られ、Cowork では「開発の周辺」がメイン用途になっている。

「周辺業務」と呼ぶ理由

Anthropic はこれらを「接続的性質」を持つ業務と表現した。営業チームが個別に作った提案書を一つの資料に統合する。異なる部署の進捗報告を一つのダッシュボードにまとめる。複数の文書から制度知識を抽出して新人向けガイドを作る。どれも「誰かが作った情報の橋渡し」である。

言い方を変えれば、これらの業務は本来業務(営業行為、企画立案、開発実装)ではなく、本来業務を支える周辺業務だ。ホワイトカラー層が「こんな定型作業に時間を使いたくない」と感じるタスクであり、AI が引き継ぐと生産性向上につながる分野である。

ナレッジワーカーの時間配分の転換

この利用パターンは、AIエージェントが知識労働の何を変えるかを示唆している。プロジェクトマネージャーなら、ステータスレポートの作成・集約に月数時間を費やしていた。それが数秒で済むようになれば、その時間を戦略立案に回せる。営業事務は顧客資料の更新が自動化され、営業支援戦略に注力できる。

Cowork のデータが示すのは「AIエージェントは、ホワイトカラー層を『退屈な仕事』から解放する」という現実的な価値提案だ。派手な自動化ではなく、地味な業務時間の削減。しかし、知識労働者にとってはその時間が何より貴重だ。