Meta が「数千万個」の CPU コアを確保

Meta が Amazon Web Services から大量のプロセッサ調達を実現した。AWS Graviton 5 プロセッサコアを「数千万個」買収する という、かつてない規模の取引だ。

この購入規模により、Meta は世界有数の Graviton カスタマーへと浮上する。ARM ベースのデータセンター向けプロセッサとして設計された Graviton 5 は、Meta が進める次世代 AI インフラの中核を担うことになる。

AI エージェントの「指揮官」としての CPU の役割

なぜ Meta は、GPU が圧倒的なパフォーマンスを提供する時代に、あえて CPU を大量買収するのか。その答えは、AI エージェント systems の時代的要求 にある。

GPU は機械学習モデルの「学習」フェーズで卓越した性能を発揮する。しかし学習済みモデルがすでに存在する環境では、複数の自律型 AI システムの「協調」と「制御」 が新たなボトルネックになる。

Meta のプロセッサ戦略責任者の言葉を借りれば、「エージェント systems の編成と調整には CPU が必要」なのだ。つまり、Graviton 5 はモデル推論そのものではなく、多数の AI エージェントがどの順序で、どの優先度で動作するかを計画・実行する「指揮官」の役割を担う。

マルチベンダー戦略で自社チップへの過渡期を管理

Meta の調達戦略は明らかに段階的だ。同社は 2026 年 2 月に Nvidia の Grace CPU も導入し、同時期には ARM と協力して独自の「AGI CPU」も開発中である。

現在のスケジュールは:

  1. 短期(現在):Graviton 5 で協調制御インフラを構築
  2. 中期(2026 年後半予想):独自開発の ARM ベースチップ(AGI CPU)へ段階的に移行

さらに 2 月には AMD との提携契約も締結。Meta はこのマルチベンダー体制により、自社カスタムチップの本格展開に至るまでの空白期間をカバーしつつ、複数の技術パスを並行検証している。

インフラ競争における「主権」の奪還

この購買戦略は、Meta が「クラウドテナント」から「インフラ主権者」への転換を目指していることを示唆している。

Graviton 5 導入とカスタムチップ開発は、AWS や Nvidia への依存を段階的に減らし、数年後には完全に独立したインフラを持つことを狙っている。AI の時代、データセンターのハードウェアそのものを支配することが、業界における競争力の源泉となるからだ。