Meta、プライバシー批判をうけて顔認識機能を削除

WIRED の報道により、Meta が社内向けスマートグラス用アプリケーション「Meta AI」に組み込まれていた顔認識コードを削除していたことが明らかになりました。同機能は WIRED の記者によってコード審査を通じて特定されましたが、最新版からは削除されています。

何が起きていたのか

Meta のスマートグラスアプリ Meta AI には、ユーザーが視野に捉えた人物の顔を分析・識別する機能が実装されていたと報じられています。この機能はバックグラウンドで動作し、装着者が見ている人物の情報を処理していた可能性があります。

スマートグラスは日常的に身につけるデバイスであり、他人を無断で識別する技術が組み込まれていたことは、プライバシー拡大主義者から強い警告の対象となっていました。

Meta の対応——削除だけで説明なし

WIRED 報道の直後、Meta は該当するコードを最新版から削除しました。しかし Meta は削除理由についての公式声明を発表しておらず、将来的に機能を復帰させるかどうかについても言及していません。

Meta のこの対応パターンは、プライバシー批判に対して「沈黙のうちに問題を除去する」というアプローチを示唆しています。

スマートグラス時代のプライバシー課題

AR・スマートグラス技術は、カメラや顔認識を搭載することで初めて「高度な機能」を実現します。しかし同時に、以下の懸念を生み出します:

  • 無断識別 — 装着者が他人の顔を無意識のうちに分析
  • プライバシー非対称性 — 識別される側は同意を与えていない
  • 法的曖昧性 — 顔認識の規制は各国でまちまち

欧州は GDPR で顔認識を厳しく規制。米国では個別州の法律が異なります。中国は顔認識を広く採用。こうした規制の相違が、Meta のような国際企業を困難な立場に置いています。

今後の見どころ

Meta の選択は以下の2つの方向を示唆しています:

  1. プライバシー規制への先制対応 — 各地の規制強化に先手を打つ
  2. スマートグラスの「機能削減」 — 法的リスクが高い機能を段階的に切り落とす

スマートグラスが日常デバイスになるには、プライバシー・セキュリティの問題を解決する必要があります。Meta の削除は、その道のりが思ったより長い可能性を示しています。