Sony AI、卓球でロボットがエキスパートレベル到達――『Ace』が初の躍進
Sony AI が開発した卓球用ロボット『Ace』が、公式規則下で初めてエキスパートレベルのパフォーマンスを達成。プロ選手との対戦を通じて、ロボティクスと AI の融合が人間の競技にもたらす可能性が示された。
Sony AI が開発した卓球用ロボット「Ace」が、スポーツの競技でエキスパートレベルのパフォーマンスを達成した初のロボットとして注目を集めています。人間の選手と対等に競う能力を獲得したロボットは、ロボティクスと AI の融合がスポーツの未来にもたらす可能性を示唆しています。
Ace の技術仕様
センサーと認識能力
Ace は 9 つのカメラ、3 つの視覚システムを搭載し、ボールの回転速度や軌道を人間の目よりも素早く認識できます。この高速認識能力が、次の球への反応速度を飛躍的に高めています。
学習と適応
Ace は対戦相手の打球パターンを学習し、短時間で戦略を調整する機能を備えています。単なる反射的な反応ではなく、戦術的な選択肢の判断ができるレベルに達しているわけです。
競技における躍進
国際規則下での対戦実績
2025 年 4 月には国際卓球連盟(ITTF)の公式規則下で、Ace はエリート選手 5 名中 3 名を破りました。その後さらに改良が加えられ、2025 年 12 月にはプロ選手との対戦でも勝利を重ねています。
プロ選手の評価
元オリンピック選手・中村金五郎氏は、Ace の打法に驚き「これまで人間が実行不可能と考えていたショットを、ロボットが可能にするかもしれない」と指摘。また卓球選手・平良真由香氏は「Ace には感情がないため、心理状態を読むことができない」とロボット特有の難しさにも言及しています。
広がる応用領域
Sony AI のプロジェクト責任者・Peter Dürr は、卓球ロボットの基盤技術が製造業やサービスロボティクス分野にも転用可能だと述べています。精密な動作制御と高速の判断を要する産業用ロボットの開発が、この研究から得られたアルゴリズムや制御手法を活かすことになるでしょう。
スポーツと AI の関係性
Ace の成功は、ロボティクスが単なる「自動化装置」から、人間と対等に「競争・学習する知能体」へシフトしていることを象徴しています。今後、スポーツ産業において AI ロボットが選手のトレーニングパートナーとなったり、戦術分析に活用される可能性は高まるでしょう。
同時に、このマイルストーンは、「AI がスポーツの本質にもたらす影響」についての議論の重要性も浮き彫りにしています。