Carnegie Mellon がロボティクス AI フレームワーク公開——複数ロボへの AI 展開が 1 年から 2 時間に
Carnegie Mellon University の Robotics Institute が、オープンソースフレームワーク Robot I/O(RIO)を公開。複数のロボット種に対応し、AI セットアップにかかる時間を従来の数ヶ月から数時間に削減。ロボット研究の基盤整備を加速。
Carnegie Mellon University の Robotics Institute が、ロボットに AI を導入する際の基盤インフラを整備するオープンソースフレームワーク「Robot I/O(RIO)」を公開した。複数のロボット種に対応し、セットアップに要する時間を大幅に削減する設計により、ロボティクス研究の加速が期待される。
ロボット研究のセットアップ時間が 1 年から 2 時間へ
ロボティクス研究者の多くは、新しいロボットを入手した後、実際に AI を実装する前に数週間から数ヶ月の準備作業を必要とする。ハードウェア構成の把握、制御ソフトウェアの構築、データ収集パイプラインの整備といった作業が積み重なるためだ。
Robot I/O(RIO)は、この煩雑なセットアップを劇的に短縮する。ロボティクスの専門知識がない大学生でも、ロボットの箱を開けてから AI の実装を始めるまでわずか 2 時間で準備が完了。従来は数ヶ月から 1 年を要していた作業が、10 分の 1 以下の時間で実現する。
複数ロボット種に対応した統一インターフェース
Robot I/O は以下の複数ロボットプラットフォームに対応している。
- ロボティックアーム(産業用・研究用両対応)
- ヒューマノイドロボット
- バイマニュアルロボット(両腕搭載型)
- 複数カメラ・複数アーム同時制御システム
従来は、ロボット機種ごとに異なるコントローラーやドライバーを用意し、各機種固有のコード実装が必要だった。Robot I/O は統一インターフェースを提供することで、一度書いたコードやパイプラインを複数ロボット種で再利用可能にした。
機能特性と拡張性
Robot I/O の主な機能は以下の通り。
- 統合ロボット制御インターフェース:ロボット種に関わらず同じ API でハードウェアを操作
- データ収集システム:トレーニング用データの自動取得・整理機能
- テレオペレーション対応:遠隔操作環境での AI 学習に対応
- AI デプロイメント機構:学習済みモデルの効率的なロボットへのデプロイ
将来的には、ロボティクス分野でも基礎モデル(foundation model)の時代が来ることを見越し、複数ロボットからのデータを一元学習する「ロボティクス基盤モデル」への拡張計画も進行中だ。
オープンソース化で業界全体の効率化
Carnegie Mellon は Robot I/O をフル オープンソース化(公式リポジトリ: robot-i-o.github.io)することで、大学や企業の研究機関が再現性のある研究を実施できる環境を整備した。Bosch Center for Artificial Intelligence や スタートアップ Lavoro AI との協力を通じ、産学連携での知見共有も始まっている。
ロボティクス分野が、ソフトウェア産業と同じく「共通基盤の上で多数の開発者が積み上げる」という生態系へ移行することで、AI 搭載ロボットの研究開発速度が一段と加速すると見られる。