【公判で明かされた】Elon マスク、2017年に OpenAI 創業者を Tesla に勧誘——Sam Altman と Demis Hassabis への提案
Elon マスク vs OpenAI 訴訟の公判で、2017年の未遂提案が明かされた。マスクが Sam Altman や Demis Hassabis を Tesla に採用して AI lab を設立しようとしたが、経営権を巡る条件で決裂。マスク「営利子会社については自分がコントロールを得ることが必須」
Elon マスク が OpenAI を相手取った訴訟の公判で、2017年に実行されなかった提案が明かされました。マスクが当時、OpenAI の CEO・Sam Altman や Google DeepMind の CEO・Demis Hassabis を Tesla に引き抜き、社内に AI 研究所を立ち上げようとしていたことが、法廷で証言されました。
2017年の未遂提案——経営権を巡る決裂
裁判の証拠資料によると、マスクは Altman と Hassabis に対して、Tesla 内に AI lab を設立するという計画を提示していました。背景には、当時の OpenAI が営利化(for-profit)へと転換する検討段階に入っていたことがあります。
マスクの提案内容:
- Tesla の AI lab 担当責任者として両名を招聘
- OpenAI の営利子会社構想に対抗する独立した研究体制の構築
- AI 技術の社内展開による Tesla の自動運転システムの強化
マスクの「経営権」条件
マスクが下した条件は明確でした:
「営利子会社(for-profit)については、自分がコントロールを得ることが必須」
つまり、マスクは OpenAI の営利化に際して、自らが経営権を手中に収めることを前提としていました。Altman が CEO として OpenAI を率いる方針に対し、マスク側は「OpenAI の独立性よりも、マスクの支配権」を優先する形での AI lab 構想を示していたわけです。
なぜ実現しなかったのか
この提案は結局、実現に至りません。理由としては以下が推定されます。
- Altman の拒否: Altman は OpenAI の独立性と CEO としての地位を守ることを選んだ
- Hassabis の選択: Hassabis は当時、DeepMind(Google 傘下)での研究を優先
- 組織的反発: OpenAI の他の創業者・幹部がマスクの支配的な条件に同意しなかった
現在の訴訟背景
この事実の開示は、マスク vs OpenAI 訴訟の文脈に重要な位置づけを得ています。
マスクは OpenAI を以下の理由で訴えています:
- 営利化への裏切り: OpenAI が非営利組織としての使命を放棄し、営利企業化したこと
- マスクの支配権喪失: 当初の構想では、マスクが OpenAI の戦略に影響力を持つ予定だったが、実現しなかったこと
- 営利化による独占: OpenAI が Microsoft と連携して営利化することで、マスク自身の AI 事業(xAI)の競争環境を損なったこと
業界への示唆
この 2017年の未遂提案は、以下の点で注目に値します。
マスクの AI 支配戦略
マスクは複数の AI 企業に携わり(Tesla Autopilot、xAI、OpenAI の初期段階)、どれもいずれ自らの経営権獲得または支配を試みる傾向が見られます。このパターンは、マスクが「AI は人類の未来に必須」と考えながらも、その支配権を手放さない戦略を反映しています。
創業者たちの選択
Altman や Hassabis が、マスクの提案を拒否し、各々の独立した道を歩んだことは、技術リーダーとしての自立と責任の問題を浮き彫りにしています。
今日の OpenAI の躍進(GPT-4.7 等の成功)や、DeepMind の継続的な研究成果は、マスクの経営支配下ではなく、組織の独立性を保つ選択をした結果とも見なせます。
この訴訟の決着如何によっては、今後のテック企業の創業者と投資家、経営者の関係に新たな先例が生まれるでしょう。