Google Gemini、欧州で「記憶」機能をロール

Google は 2026 年 4 月、Gemini のメモリ機能を欧州ユーザー全体に展開することを発表した。同時に、ChatGPT や Claude など競合 AI アシスタントからの会話履歴やプリファレンスの移行機能も提供開始。個人化 AI の競争が新局面へ。

メモリ機能とは

Gemini の「Memories」(メモリ)は、ユーザーと AI の過去の会話から学習し、将来の対応をカスタマイズする機能だ。

保存される情報の例:

  • ユーザーの名前
  • 職業・職業経歴
  • 位置情報
  • 好みや嗜好

この機能により、毎回同じ背景情報を入力し直す必要がなく、より「対話を覚えている AI」として機能する。既に米国ユーザーには提供されていたが、欧州展開は初となる。

プライバシー配慮:ユーザーコントロール

Google は、このメモリ機能がデフォルト有効だが、ユーザーが設定で調整可能な設計にしている。つまり:

  • オフにできる(メモリ保存しない)
  • 保存されたメモリを削除できる
  • メモリの保存内容を確認・編集できる

GDPR など欧州のプライバシー規制への対応を重視した設計が読み取れる。

他の AI からのデータ移行機能

最も注目されるのは、他の AI アシスタントからのデータ移行ツールの提供だ。

ユーザーは以下の方法で ChatGPT や Claude のデータを移行できる:

方法 1: ZIP ファイルアップロード

ChatGPT / Claude の会話履歴を ZIP フォーマットでダウンロード、Gemini にアップロード。会話記録がメモリに統合される。

方法 2: インポートプロンプト

他の AI アシスタントに「私の好みと会話スタイルをまとめて」と指示を出し、その結果をコピー。Gemini に貼り付けることで、プリファレンスが移行される。

この機能により、ユーザーが AI を乗り替えるハードルが大幅に低下する。これは逆に言えば、Google が「既にほかの AI を使っているユーザーを取り込みたい」という戦略を明示している。

展開スケジュール

  • メモリ機能 — 欧州全ユーザーに数週間以内
  • データ移行機能 — 同時提供
  • 対応言語 — 展開予定言語に準じる

米国では既に提供されており、欧州展開後、グローバル展開も予想される。

AI 個人化競争の加速

この展開は、ChatGPT・Claude・Gemini など主要 AI アシスタント間の「個人化」競争が激化していることを示唆している。

背景:

  • ユーザーが複数の AI を並行利用するようになった
  • 「AI をどう個人化するか」が競争優位性になった
  • データ移行機能により、ユーザーロックイン効果が弱まる

逆に見れば、Google は「我々のメモリ機能の方が優れている」というメッセージを、競合サービスから来たユーザーに対して発信している戦略だ。