Google は 6 月、Search サービスのプライバシー設定を更新した。ユーザーがアップロードした画像、ファイル、音声、動画などのメディアが、Google の生成 AI モデル開発・改善に使用されるようになった。デフォルトではオプトイン状態であり、ユーザーが明示的に設定画面で「メディアを保存しない」に変更しない限り、アップロード済みメディアは AI 学習の対象になる。

変更の対象範囲

この変更は Google Search に限定されない。以下の複数のサービスに適用される:

つまり、Google エコシステム全体で、ユーザーがアップロードまたは生成したメディアが、デフォルトで Google の AI トレーニングに活用される状況になった。

オプトアウトの複雑性

ユーザーは以下の方法でオプトアウト可能とされているが、設定は複雑だ:

  1. Search Services History ページ で「Save Media」のチェックボックスを外す
  2. Search Services Personalization ページで詳細設定を調整
  3. データ自動削除の頻度を選択(3 ヶ月、18 ヶ月、または 36 ヶ月ごと)

ただし重要な注意として、既存の「Web & App Activity」設定とは別に、新しい検索データ設定が追加されたため、以前のプライバシー設定の見直しではこの機能をカバーできない。ユーザーは新たに特定の設定画面を探し出し、明示的に変更する必要がある。

背景――Google のデータ飢餓戦略

Google は 2023 年から、AI モデルの学習データとして「高品質な現実世界データ」の確保に注力してきた。公開 Web ページだけでは十分な多様性が得られず、ユーザーが撮影した実写写真や、実際の音声データなど、より複雑で実用的なデータセットが必要だからだ。

同時に、OpenAI・Anthropic・Meta などの競合他社も独自の生成 AI モデルを拡張・改善中であり、業界全体で「データ競争」が激化している。Google はユーザーの明示的な同意よりも、デフォルト opt-in を前提とした大量のメディア吸収を選択した。

ユーザーと業界への影響

プライバシー保護団体や個人情報保護当局(特に欧州の GDPR 規制下)からは、既に批判の声が上がっている。

理由としては:

  • 同意の不明確性:複雑な設定画面の奥にあり、ユーザーの多くが変更に気づかない可能性
  • デフォルトの不公正性:オプトアウトを強制するのではなく、オプトインであるべき
  • 説明責任の欠如:変更のタイミングと影響について、明確な告知が不足している

また、開発者や AI ツール利用者にとっても、「自分が撮影・作成したメディアが、Google の競合製品(Gemini 等)のトレーニング材料に無断で使用されるリスク」が顕在化した。

Google は「AI 企業」としてのポジション強化を急ぐあまり、ユーザーのプライバシー選択肢を狭め、信頼性問題を招いた形だ。