Meta、『Model Capability Initiative』で従業員のマウス操作・キー入力を記録――AI エージェント学習用
Meta が US 従業員のマウス移動・クリック・キー入力を自動記録するプログラム『Model Capability Initiative』(MCI)の導入を開始。UI 操作の自動化を学習させるためだと説明する一方、「パフォーマンス評価には使わない」と公言。ただし EU 法専門家からは GDPR 違反の懸念が出ている。
Meta がキー入力やマウス操作を自動記録するシステムを導入しており、その詳細が THE DECODER により報道されました。
Model Capability Initiative とは
このシステムは「Model Capability Initiative」(MCI)と呼ばれ、Meta がドロップダウンメニューの操作やキーボードショートカットの使用など、UI 操作の自動化を学習させるために設計されています。
記録対象:
- マウスの移動とクリック
- キーボード入力
- 作業関連アプリとウェブサイト上の操作
- 時折のスクリーンショット
Meta の公式見解
Meta のスポークスパーソン Andy Stone は「パフォーマンス評価には使わない」と明言し、「機密データは保護される」と説明しています。あくまで AI エージェントに人間の作業パターンを学ばせるためのトレーニングデータとしての利用だと主張しています。
規制上の懸念
一方、EU 労働法の専門家 Valerio De Stefano は、このような監視慣行が欧州連合の個人情報保護規則(GDPR)に違反する可能性が「高い」と警告しています。データ保護をめぐるプライバシー基準が厳格な欧州では、従業員からの同意や透明性を欠いた大規模な監視システムは法的リスクになり得ます。
AI トレーニングと従業員監視のジレンマ
AI エージェント開発には、実世界の人間行動データが不可欠です。しかし同時に、そうしたデータ収集は従業員のプライバシー権と直結しています。Meta の事例は、企業の AI 野心とデータ倫理のバランスがいまだ業界全体で定まっていないことを浮き彫りにしています。
今後、米国や欧州の規制当局がこの種の監視慣行にどう対処するかが注視されます。