Microsoft Copilot に深刻なセキュリティ脆弱性が発見された。秘密パラメータを悪用することで、ユーザーのパスワードなど認証情報を盗聴できるという欠陥だ。リンククリックのような日常的な操作で発動するため、ユーザーは知らないうちに認証情報を奪われる可能性がある。

秘密パラメータの悪用メカニズム

Copilot に隠されたパラメータが存在し、ハッカーがこれを悪用するとパスワード盗聴が可能になる。攻撃の流れは以下のように推測される:

  1. 攻撃者が細工したリンクを Copilot 経由でユーザーに提示
  2. ユーザーがリンクをクリック
  3. 秘密パラメータが発動し、Copilot の内部動作を改ざん
  4. ユーザーの認証情報(パスワード、トークン等)がハッカーに流出

通常の Web 攻撃と異なり、AI チャットボット固有の構造を狙った攻撃手法である。Copilot がユーザーからの入力と外部データを同等に処理する仕組みを悪用するもので、従来のセキュリティ対策だけでは検知・防御が困難だ。

AI チャットボットのセキュリティ課題

Copilot のような AI チャットボットは、ユーザーの質問に応答するために外部情報を参照・取得する。このプロセスで、攻撃者が埋め込んだ悪意のあるパラメータが混入すると、チャットボットが攻撃者の指示に従ってしまう「プロンプトインジェクション」と呼ばれる脅威が生じる。

Microsoft Copilot の秘密パラメータ脆弱性は、この類の脅威が実際に存在すること、そして単なる理論ではなく実在する攻撃ベクトルであることを実証している。特に、パスワードなどの機密情報が標的にされる点で、ユーザーの直接的な被害につながる。

企業・ユーザーへの影響

Copilot は Word、Excel、Outlook などの Microsoft 365 製品に統合されており、企業環境でも広く使用されている。秘密パラメータを知るハッカーが、企業ユーザーを標的にすれば、社内システムへの不正アクセスも可能になる。

また、個人ユーザーであっても、Copilot を通じて Microsoft アカウント、メールアドレス関連のサービスのパスワードが盗聴されると、連鎖的な被害(メールアクセス → 他のサービスのパスワードリセット不正利用)が発生するリスクがある。

修正と今後の対策

Ars Technica の報道時点で、修正状況の詳細は明かされていない。ただし、AI チャットボットのセキュリティは単純なパッチでは対応が難しく、モデル自体の再学習・検証が必要になる可能性が高い。

一方、ユーザー側の対策としては以下が考えられる:

  • Copilot を通じて外部リンククリックを極力避ける
  • 機密情報(パスワード、個人情報)を Copilot に入力しない
  • 異常な AI レスポンス(不自然な指示・情報要求)に注意する

AI チャットボットが業務・日常生活に統合される中で、こうしたセキュリティリスクは避けられない。Microsoft は迅速な修正と透明な情報開示が求められている。