米国と中国が AI に関する正式な外交協議を検討しており、5月14~15日の北京での首脳会談で重要な議題となる可能性が浮上しました。Wall Street Journal の報道によるものです。

前回協議の課題からの改善

バイデン政権下では 2023年から AI に関する協議が始まりましたが、実現性に限界がありました。政策分析家のラッシュ・ドシ氏によると、中国が外交部門(外交官)を派遣したため、実質的な進展が制限された とのこと。

今回の正式協議では、より実行力を持つ代表が参加する見通しで、実効性の向上が期待されます。

協議の主要テーマ

両国は定期的に会合を開き、以下の分野で協力を探る予定です:

  • AI モデルの予期しない動作と脆弱性
  • 自律型兵器システム(AWS)のリスク管理
  • オープンソース AI ツールを使用した非国家主体による攻撃
  • AI ホットラインの構築検討 — 危機時の直接連絡体制

人間による核兵器決定の確認

米中両国は 2024年に、核兵器の使用決定は人間が行うべき という原則で合意しており、この枠組みを AI 領域に応用する流れとなります。

代表構成

  • 米国側:スコット・ベッセント財務長官が主導
  • 中国側:廖岷(りょう・びん)副財務相が参加

財務省の担当という点も、前回の外交部門からの変更を示す重要な信号です。

背景と意義

AI 技術の急速な発展に伴い、米中両国が最大の AI 大国として、ガバナンス枠組みで歩み寄る動きは、世界的な AI 政策の分岐点となる可能性があります。対立的なアプローチから協力的なリスク管理へ転換することで、暴走 AI リスクへの国際的対応が加速する可能性も考えられます。