AWSの研究チーム「Strand Labs」が、テキストを生成せず選択肢の判定だけを行う小型AIモデル「Strands Decider 2B」をオープンソースで公開した。すぐにダウンロードして手元のマシンで動かせるため、開発者はエージェントの判断処理に今日から組み込める。

元OpenAI研究者のJevに続く「決定特化モデル」

Strands Decider 2Bは、元OpenAI研究者のDiogo Almeida氏が立ち上げたTypeSafe AIの「Jev」に触発されて開発された。Jevは対話文を書く代わりに、あらかじめ定義した選択肢から最適な答えを確信度スコア付きで返すモデルで、カスタマーサポートの自動振り分けやエージェントの挙動監視といった用途を想定している。AmazonがAWSとして同種のモデルを自前で公開したことで、こうした「決定特化モデル」を手がける企業がJev以外にも広がり始めたことを示している。

2億パラメータでローカル実行、ベンチマークは2Bクラス上位

Strands Decider 2Bは、Qwen3.5-2Bをベースモデルに、ランク16のLoRAアダプターと約100万パラメータのポインタヘッドを組み合わせた構成を取る。公式発表によると、判定性能を測る「JevBench」の公開セットで2Bクラスの33モデル中3位を記録し、2B超のモデルを除く30モデルの中では1位だったという。

レイテンシはローカルのNvidia RTX 3090で中央値約115ミリ秒、MacBook M3では約153ミリ秒と、クラウドAPIを呼び出さずに動かせる軽さが特徴だ。簡単な判定タスクでは100%の精度で完了したと報告されている。モデルは完全オープンソースで公開されており、GitHubからすぐに入手できる。

開発者への影響

分類やルーティング、承認可否といった大量かつ低コストな判定処理をフルスペックのLLMに任せるのではなく、専用の軽量モデルに切り出す発想は、AIコストの最適化を模索する開発者にとって現実的な選択肢になりつつある。TypeSafe AIのJevがクラウドAPI経由の提供だったのに対し、Strands Decider 2Bはオープンソースでローカル実行にも対応するため、オフライン環境や低遅延が求められるエージェントワークフローに組み込みやすい点が実用上の違いになる。