Anthropicが11ヶ月で5170億ドルの計算資源契約、Claude Code急成長に対応し14.8GW追加確保
AnthropicがGoogle・AWS・Microsoft・SpaceXなどと結んだ計算資源契約が11ヶ月で最大5170億ドルに達した。Claude Codeなど利用急増への対応で、年間売上高は1年で3倍以上に拡大している。
Anthropicが2025年10月以降の11ヶ月間で、Google・AWS・Microsoft・SpaceXなど複数の提携先と結んだ計算資源(コンピュート)契約の総額が、最大5170億ドルに達したことが明らかになった。Claude CodeやCowork といった製品の利用急増に対応するための投資で、既存の1〜2ギガワット分に加え、少なくとも14.8ギガワットの追加処理能力を確保した計算になる。この規模の計算資源は、今後のClaudeの応答速度や新モデルの学習ペースに直結する。
契約の内訳
今回の総額は単一の契約ではなく、この11ヶ月間に積み上げられた複数年契約の合計だ。AnthropicはAWSとの提携でTrainium2・Trainium3を中心に最大5ギガワットの容量を確保したほか、Google・Broadcomとは2027年から稼働開始予定の次世代TPUを複数ギガワット契約した。GoogleとAWSを合わせると、確保した容量のうち11ギガワット分をこの2社が占める。
このほか、MicrosoftおよびNVIDIAとの提携では300億ドル分のAzure容量を確保し、Fluidstackとは500億ドル規模の米国内AI基盤投資契約も結んだ。軌道上での計算資源開発をめぐりSpaceXとの協業にも関心を示しているという。Anthropicは従来、2029年までのサーバーレンタル費用を1800億ドル程度と投資家に説明していたが、今回の契約群はその想定を大きく上回る規模になる。
立場が逆転したAmodeiの警告
この動きには皮肉な背景がある。2026年初頭、AnthropicのCEOダリオ・アモデイは競合他社に対し「リスクを正しく理解していない」と過度な投資ペースに警告していた。しかし現在、Anthropic自身がその追い上げに回っている格好だ。一方、OpenAIのサム・アルトマンCEOは「持続不可能な過剰投資」に警鐘を鳴らしており、急速な技術進歩によって現在の高額な計算資源投資が不良資産化するリスクを指摘している。OpenAIは2030年までに30ギガワットの確保を目標に掲げており、両社の計算資源獲得競争は依然としてOpenAIが規模で先行する構図だ。
急増する需要が投資を後押し
Anthropicの年率換算売上高は約300億ドルに達し、2025年末の約90億ドルから1年足らずで3倍以上に拡大した。年間100万ドル以上を支出する高額顧客は2月時点で500社を超え、4月には1000社を突破するなど、わずか2ヶ月で倍増するペースで増えている。Claude Codeをはじめとする開発者向け製品の需要が想定を上回るスピードで伸びたことが、今回の大規模な計算資源確保につながった形だ。
計算資源の大規模な積み増しは、今後のClaudeモデルの学習速度や提供可能な利用枠の拡大に直結する。ユーザーにとっては、利用制限の緩和や新モデルの投入ペース加速という形で、この投資の効果が徐々に見えてくることになりそうだ。