100万行をFable 5が11日で書き直し——BunがZigからRustへ移行、安定性と性能を同時実現
JavaScriptランタイムBunが、Anthropicの最新モデルFable 5を用いて、100万行以上のコードをZigからRustへ書き直した。11日間での完成は従来の人間開発チーム1年分に相当。AI開発の生産性を示す実例。
JavaScriptランタイムBunの開発主導者 Jarred Sumner が、Anthropicの最新言語モデルFable 5を用いて、ランタイム全体を Zig から Rust へ書き直した。わずか11日間で100万行以上のコードを生成し、従来は人間のエンジニアチームが1年以上かかる作業を完了させた。
なぜZigからRustへ
Bun はこれまで Zig で実装されていたが、Sumner は長年にわたるメモリエラーとシステム障害に悩まされていた。Zig はコンパイル時の最適化により高速実行を可能とするが、デバッグが困難で、バグの原因特定に数ヶ月を要することもあった。
Rust への移行は、型安全性とコンパイル時エラー検出を活かすことで、このボトルネックを排除する戦略だ。Sumner は「人間のチームならば1年を要する作業」と推定していたが、Fable 5 なら11日でやり遂げられると考え、実行に移した。
Fable 5がどのように書いたのか
64の Claude Fable 5 インスタンスが並行して動作し、11日間にわたって書き直しを遂行した。総API消費額は約165,000ドル。単純計算では1行あたり0.165ドル という高コストだが、従来の人間ベースの開発なら数百万ドル規模の投資が必要だった。
完成した Bun v1.4.0 canary 版は、128個のバグを修正し、Zig 版比で2〜5%の性能向上を実現。コード量が増加しながらも、パフォーマンスが低下しなかった事実は、Fable 5 の生成コード品質を示唆している。
Anthropic による Bun 買収の背景
2025年12月、Anthropic は Bun を買収した。今回のプロジェクトは、その買収後初の大型案件である。Sumner の決断が Anthropic の投資判断に正当性を与える実績となり、同時に Fable 5 の実用性——特に大規模コードベース操作能力——を世界に示すデモンストレーションにもなった。
開発者向けツールの機械化が加速する局面において、本案件は「AI による開発効率化」の現在地を象徴している。単なる補助機能ではなく、大規模リライトを自動化できる段階に到達したことを意味する。