中国AI部品供給危機──生産能力が2026年全体で解決できず
中国のAI企業は急速な成長を支える部品・チップが深刻に不足。メーカーの在庫積み増しやタイ・ベトナム新工場の計画も、需要の急増には追いつかないのが実情です。
中国AI産業の致命的な弱点
中国のAIハードウェア企業が、チップ・回路基板・光学部品といった重要な部品で深刻な供給不足に直面しています。Bloomberg によると、生産能力のボトルネックは2026年中に解決される見込みがなく、DeepSeek-V4 などの新モデル需要の急増がさらに状況を悪化させています。
企業の在庫戦略で対処
中国の光学部品メーカー Zhongji Innolight などは、チップ・回路基板・各種部品を積極的に備蓄しており、第1四半期の前払い金が劇的に増加しています。これは需要の逼迫を示す強いシグナルです。
しかし、これらの対症療法的な備蓄戦略だけでは、中国企業の拡大計画を支えるには不十分です。
新工場の計画も間に合わない
タイとベトナムに新しい工場建設が進められていますが、現在のところこれらの施設は中国の生産基準を満たしていません。投資企業からは「容量のボトルネックは今後も解決されず、少なくとも2026年中は改善が見込めない」とのコメントが出ています。
大手企業の投資計画との矛盾
一方、Tencent は2026年下半期のAI支出を大幅に増加させる計画を発表し、ByteDance も AI インフラに300億ドル超を投じる構想を示唆しています。中国政府も国内企業に対して中国製AIハードウェアの購入を義務付けています。
しかし、国内サプライヤーが需要に応えられない状況では、この投資計画は阻害されるか、ハードウェア原価の高騰につながるリスクがあります。
米国との格差は依然として大きい
Bloomberg の分析では、中国全体のAI インフラ支出規模は、依然として Google・Meta・Amazon といった米国大手テック企業に比べて大きく後れています。部品供給の制約は、この格差をさらに広げる可能性があります。