米連邦地裁のレオニー・ブリンケマ判事は2026年9月2日、司法省が求めていたGoogleの広告技術事業の分割命令を却下した。判事は分割の代わりに、Googleの広告事業運営に関する一連の行動是正措置を命じる決定を下した。

分割回避、命じられたのは相互運用性の確保

司法省は、パブリッシャーがウェブサイト訪問者に広告を表示する際に利用する広告取引所「AdX」の売却と、オークション技術のオープンソース化を求めていた。ブリンケマ判事はこれを退け、代わりにGoogleの広告テックツールを競合他社のツールと相互運用できるようにする措置を命じた。

Googleはウェブサイト運営者から広告オークションの取り扱いに対して20%の手数料を徴収しており、この仕組み自体が独占の中核とみなされてきた。判事は昨年の判決で、Googleがパブリッシャー向け広告サーバーと広告取引所の両市場で違法な独占を維持していたと認定している。今回の決定はその是正措置にあたる。

Googleにとって2度目の分割回避

Googleが独占と認定されながら事業分割を免れたのは、これが2度目となる。過去にはChromeブラウザの売却強制も別件で退けられている。Google側は事業分割について「技術的に実現不可能」と主張しており、規制対応担当のリー・アン・マルホランド副社長は、「小規模企業が新規顧客に到達し成長するためのツールを分割せずに済んだ判決に満足している」とコメントした。

判事の詳細な意見書は機密情報の削除作業のため14日間非公開とされ、原告・被告双方には30日以内に最終判決案の提出が求められている。

独占禁止法執行への影響

今回の決定は、巨大テック企業の市場支配力を抑制しようとする米政府の取り組みが、認定は勝ち取っても是正措置では踏み込み切れていない実態を改めて示した。広告主・パブリッシャーにとっては、Googleの広告取引所が存続する一方で、相互運用性の要件により競合ツールとの連携が今後どこまで実効性を持つかが焦点になる。

司法省が今回の決定を不服として控訴するかどうかは明らかにされていない。