AIセキュリティ企業のHiddenLayerがSeries Bで1億ドルを調達した。調達資金は、AIコーディングエージェントの動作を保護する新製品「Agent Harness Security」の開発に充てられ、企業が自動化されたコード生成・レビュー・デプロイのプロセスを守れるようにする。

エージェントAIの「暴走」を防ぐ新製品

HiddenLayerはこれまで、AIモデルの検知・ランタイム保護・攻撃シミュレーション・サプライチェーンセキュリティの4モジュールでプラットフォームを構成してきた。今回の資金調達では、その延長線上にある新分野として、AIコーディングエージェントのランタイムセキュリティに投資する。

Agent Harness Securityは、コーディングエージェントが本番環境でどう振る舞っているかを可視化し、意図しないツール使用や不正な操作を検知・阻止することを狙う。プロンプトインジェクション対策やエージェントの操作防止機能もあわせて強化される。

成長を支える数字

今回のラウンドはDelta-v Capitalが主導し、Ten Eleven Ventures、Morgan Stanley、Microsoft傘下のM12、Booz Allen Venturesが参加した。HiddenLayerの年間経常収益(ARR)は過去1年で10倍以上に伸び、その9割以上が新規顧客によるものだという。プラットフォームの新規顧客数は50社を超え、対応するフロンティアモデルの利用者は週700万人以上に達する。

金融、製薬、自動車、食品・飲料に加え、米国の防衛・情報コミュニティといった大型組織での導入も進んでいる。調査会社Gartnerによれば、企業のAIセキュリティ支出は今年28億3000万ドルに達する見込みで、前年比83%の増加だ。2027年には47億8000万ドル規模になると予測されている。

開発者にとっての意味

コーディングエージェントの導入が広がるにつれ、エージェントが誤ったツールを呼び出したり、意図しない範囲のファイルにアクセスしたりするリスクも顕在化している。HiddenLayerが専用のランタイム保護製品を投入することは、エージェント型AIの実運用フェーズに入った企業にとって、開発ワークフローのセキュリティ対策を見直す一つの目安になりそうだ。