Google が AI ワークフロー自動化スタートアップ Relay の吸収を発表しました。同社は 9 月 14 日でサービスを終了し、創業者兼 CEO の Jacob Bank が Google Chrome チームへ参画。Gemini ベースの AI エージェント機能が 10 億を超える Chrome ユーザーに段階的に展開される計画です。

Relay のシャットダウン

Relay は 2021 年にファウンダーの Jacob Bank により設立され、Zapier のような「AI 版ワークフロー自動化」を標榜してきました。自然言語でタスクを記述すれば、複数の SaaS アプリケーション間のデータフロー自動化を実現するというコンセプトでした。

有料ユーザーのアクセス停止は 2026 年 9 月 14 日予定。無料ユーザーもまもなく利用不可になります。

Jacob Bank、Chrome に合流

創業者 Jacob Bank は Google の Chrome 製品担当副社長として復帰します。彼は Gmail、Google Calendar、Google Chat のプロダクトリード経歴があり、Consumer-facing な Google プロダクトの経験が豊富です。

Bank 自身が述べたコメント:

「Chrome でユーザーが AI と連携して作業を進める野心的な計画がある。詳細はまもなく共有する予定だ」

Chrome への AI エージェント統合戦略

Google は既に Gemini を Chrome に統合し、「エージェント型ブラウジング」機能を提供しています。Gemini ユーザー数は 10 億人を超えており、これが AI 機能の母数になります。

Relay の技術・チームを Chrome 統合に活用することで、以下が実現します:

  • ワークフロー自動化: ユーザーが「このフォームを埋めて、結果をメールで送信してほしい」と書けば、自動実行
  • クロスアプリ連携: Chrome 内で Gmail・カレンダー・ドキュメント間のデータフロー自動化
  • 大規模展開: 10 億 Chrome ユーザーへの一気配布(段階的)

OpenAI Atlas との競争

OpenAI も同時期に Atlas というブラウザ AI エージェント機能を展開しており、業界の AI 自動化戦争が本格化しています。

OpenAI の場合、ChatGPT と連携した形での提供。Google の場合、Chrome というユーザー数で圧倒的に多いプラットフォームでの提供になる点が大きな差です。

なぜ Relay を買収したのか

Relay の技術そのものより、創業者 Jacob Bank の経験と実行力が Google にとって価値だったと考えられます。

  • Consumer Product の開発・運用経験
  • ワークフロー自動化による UX 設計
  • 初期ユーザー向けのプロダクト教育ノウハウ

これらが Chrome の「AI-first ブラウザ」への転換を加速させるためのリソースになります。

読者への影響

今後数ヶ月で、Chrome ユーザーが以下を経験することになるでしょう:

  1. AI エージェントが Chrome アドレスバーから起動可能に
  2. 自然言語タスクの指示で複数 Web サービス間の自動化実行
  3. パーソナライズ化: 個人のデジタルワークフローを学習し、提案・自動化

SaaS 企業にとっては、AI エージェント経由の「人間を介さない自動化」が新たなインターフェースになる転換点です。

Jacob Bank が「詳細はまもなく」とコメントしていることから、秋の Chrome 機能更新での具体的な発表が予想されます。