IBM、エージェント機能内蔵のオープンウェイト「Granite 4.2」をApache 2.0で公開
IBMが3B・8B・30Bの3サイズでGranite 4.2ファミリーを公開。8B・30BモデルはツールやコードをAI自身が使いこなす「agentic RL」訓練済みで、SWE-Benchで57%を記録した。
IBMがオープンウェイトの言語モデルファミリー「Granite 4.2」を公開した。3B・8B・30Bパラメータの3サイズをApache 2.0ライセンスで提供し、Hugging Face、Ollama、GitHubから即座にダウンロードして商用利用できる。開発者が自前のインフラで動かせる実用的なエージェント型モデルとして設計されている点が特徴だ。
15兆トークン学習と512Kコンテキスト
Granite 4.2は約15兆トークンを使って新規に事前学習された。コンテキストウィンドウは最大51万2000トークンに対応し、長文ドキュメントや大規模なコードベースを丸ごと読み込ませる用途にも耐える設計だ。
各モデルには「思考モード」と「非思考モード」の切り替え機能があり、単純なクエリには処理負荷の低い「低労力モード」を使うことで、コストと応答速度を調整できる。数学・コード・ソフトウェア工学のタスクを含む多段階の強化学習パイプラインで訓練されており、用途に応じた出力の質を高めている。
8B・30Bはツール利用とコード実行を自律的に学習
最大の特徴は、8Bと30Bの2モデルが「agentic RL」と呼ばれる訓練を受けている点だ。実際の環境でツールを呼び出し、コードを実行しながら試行錯誤する形で学習しており、OpenAI形式のネイティブなツール呼び出しにも対応する。エージェント的なワークフロー、たとえば外部APIを呼んで結果を検証し次の行動を決める、といったタスクを単体のモデルでこなせるよう設計されている。
性能面では、30BモデルがコーディングベンチマークのSWE-Benchで57%、数学ベンチマークのAIME25で89.17%を記録した。同時に公開された音声モデル「Granite Speech 5.0 Turbo CTC」は4.7億パラメータと小型ながら、前世代の2倍の速度で3時間分の音声を1秒で文字起こしできるという。
開発者にとっての意味
Granite 4.2は、クラウドAPI経由ではなく自社サーバーやエッジ環境でエージェント機能を動かしたい開発者にとって、選択肢が一つ増えたことを意味する。Apache 2.0ライセンスのため、商用プロダクトへの組み込みやファインチューニングも制約なく行える。オープンウェイトのエージェントモデルは、Metaやミストラルなど他社からも相次いで登場しており、クローズドモデルとの性能差が縮まりつつある領域だ。