Anthropicは、Claudeのチャットとエージェント型ツール「Claude Cowork」の間でメモリシステムを統合したと発表した。これまでチャットで伝えた情報をCoworkのタスクで再度説明する必要があったが、両者が記憶を共有することで、一度伝えた文脈をインターフェースをまたいで自動的に活用できるようになる。

会話終了を待たず、話しながら記憶を更新

これまでのClaudeのメモリは、会話が終わった時点で内容を要約して保存する方式だった。新しい仕組みでは、会話の途中から個々のトピックとしてリアルタイムに記憶が更新されていく。Anthropicが挙げる例では、上司向けの報告書や会議のアジェンダをCoworkで作成する際、過去のチャットで話した開催地・登壇者・参加人数といった情報をClaudeが自動的に踏まえて作業できるという。

この統合はClaude Coworkがクラウド上で実行される場合に有効で、ローカルのコンピューター上で動くCoworkセッションはメモリを参照しない。

Free・Pro・Maxで既定オン、設定画面から編集・削除可能

メモリ機能はFree・Pro・Maxの各プランで、ウェブ・デスクトップ・モバイルに対応する(iOS・Androidは最新版アプリが必要)。ユーザーは「Settings」の「Memory」内「Topics」から、Claudeが記憶した内容を一覧で確認し、個別に編集・削除できる。

プライバシー面では、健康状態・人種・信仰・性自認・政治的信条といった機微な話題は既定では記憶対象から除外される。ユーザーが「Include sensitive topics in memory」を明示的に有効化した場合でも、社会保障番号や政府発行IDのような個人識別情報は保存されない設計になっている。

「毎回ゼロから説明する」不便さの解消

Cowork単体はデスクトップ版が2026年4月に、ウェブ・モバイル対応が同年7月に一般提供されており、機能拡張が続いてきた。今回のメモリ統合は、チャットで蓄積した業務や好みの文脈をCoworkの実行タスクにそのまま引き継げる点が実務上の意味を持つ。プロジェクトの背景説明を毎回繰り返す手間が減ることで、Coworkを日常的なタスク実行の起点として使う利用者にとっては、着手までの摩擦が下がることになる。