元Uber CEOのトラビス・カランニック氏が率いる物理AI企業Atomsが、自動運転タクシー技術の開発に乗り出していることがわかった。Uberは既にAtomsへ約1億ドルを出資しており、Atomsのロボタクシー技術を自社サービスに活用できるか協議を進めている。

17億ドル調達の直後にUberが追加出資

Atomsは2026年夏、Andreessen Horowitz(a16z)主導のラウンドで17億ドルを調達したばかりだ。Uberはこのラウンドとは別に約1億ドルをAtomsへ投じ、カランニック氏は今回の出資を「Uber時代からの未完の仕事」と表現している。両社は、Atomsが開発する自動運転技術をUberの配車サービスへ組み込む可能性について話し合っているという。

Uberはすでに複数の自動運転企業とパートナーシップを構築しており、Atomsは新たな選択肢の一つという位置づけになる。Atoms自身はロボタクシー事業への参入を公式には発表しておらず、車両フリートや提供都市、商用サービス開始時期といった具体的な計画は明らかにしていない。同社は自らを「特定業界向けの自動運転企業」ではなく、産業分野を横断して自動化する「物理AI企業」として位置づけている。

自動採掘企業の買収でLevandowski氏を獲得

Atomsは自動運転分野の技術基盤を強化するため、自動採掘スタートアップのProntoを買収した。この買収により、Uber元自動運転部門責任者のAnthony Levandowski氏がAtomsに加わっている。Levandowski氏は営業秘密窃盗で有罪判決を受けた人物だが、トランプ大統領による恩赦を受けている。

Atomsは今後、人員採用と企業買収を通じて自動運転業界での存在感を高めていく方針とみられる。

ロボタクシー競争に新たなプレーヤー

自動運転タクシー市場では、WaymoやTeslaに加え、Pony.aiとトヨタ、WaabiとUberの提携など複数の陣営がしのぎを削っている。Atomsが本格参入すれば、カランニック氏がUber時代に築いた配車事業のノウハウと、Levandowski氏の自動運転技術者としての経験を組み合わせた新たな競合が加わることになる。Uberにとっても、自社と資本関係のある企業から技術供給を受けられれば、既存の自動運転パートナーとの交渉力を高める材料になり得る。