Metaのデータセンターを「実験」扱いに、AI投資で39億ドルの節税が発覚
Metaが巨大AIデータセンターを税制上「試作モデル」として扱い、2025年だけで39億ドルの節税を実現していたことが判明した。1981年制定の研究開発税制を活用した手法だ。
Metaが巨大なAIデータセンターを税制上「試作モデル」として分類し、2025年だけで39億ドル(約5850億円)の節税を実現していたことが明らかになった。1981年に制定された研究開発税額控除を活用した手法で、AIインフラ投資の裏側にある税務戦略が浮き彫りになった。
1981年の研究開発税制をデータセンターに適用
Metaが使っているのは、企業の研究開発投資を優遇する連邦税額控除制度だ。Metaはデータセンターそのものを「試作モデル(パイロットモデル)」、導入するNvidia製チップを「実験用資材」と位置づけることで、この控除の対象に含めている。
この手法による節税額は年々拡大しており、2023年に7億ドル、2024年に20億ドル、2025年には39億ドルに達した。Metaは過去5年間で2000億ドルを研究開発費として計上しており、税務上の不確実なポジションに対する引当金も45%増の187億4000万ドルに膨らんでいるという。
投資家向け説明との食い違い
Metaは投資家に対して、これらのデータセンターを「スーパーインテリジェンス」開発を支える中核インフラだと説明してきた。マーク・ザッカーバーグCEOも2025年1月の時点で、これらの施設が「中核事業を牽引する」と述べている。出力5ギガワット規模を計画する「Hyperion」データセンターなど、投資規模も明らかに実験の域を超えている。
にもかかわらず、税務上は「試作」「実験的」と位置づけることで控除を受けている状態であり、投資家向けの説明と税務当局向けの申告内容との間に整合性の乏しさが指摘されている。
監査法人も同様の手法を他社に提案
この節税スキームは大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤングが承認したもので、同事務所は他のAI企業にも同様のチップ税額控除の活用法を売り込んでいるという。つまりMetaに限らず、AIインフラへの巨額投資を進める企業全体に広がる可能性がある手法だ。
AIデータセンターへの投資が業界全体で加速する中、こうした税務戦略を持たない競合他社は相対的に不利になりかねない。データセンター建設が地域の電力インフラや税収に与える影響が各地で論争を呼んでいることもあり、AI企業の税負担のあり方は今後の規制論議の焦点になる可能性がある。