OpenAI が米国オハイオ州に大規模なAIデータセンターを20年間リースする計画を明かした。プロジェクトの規模は膨大だ。Nvidia が1,050億ドル(約15兆円)の融資で支援し、SoftBank と SB Energy が協力する。

設備規模とエネルギー計画

OpenAI が選んだのは、オハイオ州にあるウラン濃縮施設の跡地だ。初期段階での電力容量は4.25ギガワット(GW)で、将来的には最大8GWまで拡張できる設計になっている。

参考までに、サンフランシスコ市全体の2024年のエネルギー消費量は5GWをやや上回る水準だ。つまり、このプロジェクトは1つの都市規模のエネルギーを消費するAIデータセンターということになる。

エネルギーインフラの構築も並行して進められる。SB Energy はプロジェクトのため、最低でも新規に10ギガワットのエネルギー容量を構築する予定だ。SB Energy と OpenAI 合わせて40億ドル超の投資が予定されている。

雇用と地域への影響

OpenAI の見通しによれば、建設段階で3万5,000人の一時的な雇用が生み出される。完成後の施設運営には、2,500人の長期的な雇用が見込まれている。オハイオ州にとって、この規模の雇用創出は経済的に無視できない存在だ。

ただし、米国民の間でデータセンター建設への懸念も存在する。政府の調査によれば、米国民の70%以上がデータセンター建設に反対している。電気代の上昇が中間選挙の争点になるほど、エネルギー消費への不安は深い。

融資スキーム と「循環融資」批判への対抗

Nvidia がこの規模の融資を提供する背景には、顧客の計算資源確保という戦略がある。OpenAI はNvidia チップを使う大規模ユーザーの1つであり、Nvidia にとって計算能力の需要確保は経営上の最優先事項だ。

ただし、「Nvidia が自社の融資で顧客を支援する『循環融資』ではないか」という批判が業界から出ていた。これに対して、Nvidia は「OpenAI が資金を支払う」ことを明記して先制的に対応している。つまり、融資額は Nvidia が提供するが、返済義務は OpenAI にあるという透明性を確保したわけだ。

OpenAI のスケーリング戦略

このプロジェクトは、OpenAI のビジネスモデルの根幹を示している。次世代のモデル開発には、前例のない規模の計算資源が必要だ。Nvidia との提携によって、OpenAI は米国内でのエネルギーと計算リソースの自給体制を整備する方針を打ち出したことになる。同時に、米国のエネルギーインフラとAI産業の結びつきが、今後ますます深まることを意味している。