ChatGPTがオフィススイート化、OpenAIがSpace・Pages・Slidesを一挙投入
OpenAIがDevDay 2026で、共同作業空間「Space」やAI対応ドキュメント「Pages」、スライド編集機能を発表。Microsoft Officeの主要製品群に真っ向から対抗する。
OpenAIはDevDay 2026で、ChatGPTを単なる対話型AIから業務基盤へと押し上げる一連の機能を発表した。共同作業空間「Space」、AI対応ドキュメント「Pages」、協働スライド機能を軸に、Microsoftのオフィス製品群と直接競合する体制を整えた。
SpaceとPages、Slidesの中身
「Space」は、同僚やAIエージェント「Dots」が同じ場所でチャットとファイルを共有しながら作業できる統合ワークスペースだ。CEOのサム・アルトマンは「ページやファイルはすべてSpaceの中で一緒に存在する」と説明している。「Pages」はGoogle DocsやMicrosoft Wordに対抗する新型ドキュメントで、人間とAIエージェントの協働作業を前提に、文章作成やリサーチ、チャート・画像の生成に対応する。スライド機能はPowerPointの代替として位置づけられ、音声指示でのスライド生成や、複数ユーザーとエージェントによる同時編集・コメントが可能だ。
ChatGPTのプラグインも大幅に拡張された。専用のサイドバーホームやインタラクティブパネル、ファイルビューアが加わり、MCP Events仕様への対応で接続アプリのイベントをトリガーにした自動化も実現する。開発者向けにはPlugin Creatorツールとプラグインディレクトリへの簡素化された申請フローが提供され、ChatGPT Sitesを通じてアプリを同僚と共有できるようになった。
Codexとインフラの強化
開発者向けでは、コーディングアシスタント「Codex」に再利用可能なクラウド開発環境が加わり、チーム間で設定や権限を共有できるようになった。音声制御CLIやデスクトップアプリのコードレビュー機能、リポジトリを定期的にスキャンする「Codex Security Cloud」も新設された。Agents APIはComputer Use機能を備え、GPT-6 Lunaベースで約150ミリ秒という高速判定を行う「Decisions API」も新たに提供される。最速処理を求める向けには、標準の6倍の価格で提供する「Ultrafast」ティアも用意された。
読者への影響
料金体系では月額200ドルの「Pro 500」プランや、16の外部ツール間でクォータを共有する「Sign in with ChatGPT」が導入されたほか、Adobe・Figma・Salesforceなど32社が参加する企業向けマーケットプレイスも始動した。GoogleやMicrosoft、Notion、Slackなど既存の生産性ツール勢との競争が一段と激しくなる見通しで、企業のワークフローにChatGPTが深く組み込まれていく流れが加速しそうだ。
アップデート:Decisions APIの狙いは「暴走するエージェント群」の監視
Decisions APIについて、その意図がより具体的に明らかになった。このAPIはGPT-6 Lunaをベースに、あらかじめ定義した選択肢の中から確率付きで判定結果だけを返す仕組みで、元OpenAI研究者が設立したTypeSafe AIの判定特化モデル「Jev」と同種の発想に基づく。サム・アルトマンCEOは「モデルを特定の選択に集中させることで、画像認識などの機能を保持したまま極めて高速化できる」と説明している。
想定される主な用途は、大量のAIエージェントが並行して動く環境での挙動監視だ。各エージェントの操作が与えられたタスクと一致しているかを常時チェックし、問題のある行動をブロックするような安全性検証に使える。OpenAI側の試算では、エージェント監視のコストが1件あたり372ドルから2.94ドルまで下がる可能性があるとしており、これまでコスト面で難しかった「すべてのアクションを継続的に監視する」運用が現実的になる。フルスペックのLLMではなく判定特化の高速・低コストモデルに一部の処理を任せる発想は、エージェントを大量運用する開発者にとって実用的な選択肢になりそうだ。