セキュリティ大手のPalo Alto Networksが、AIエージェントでITヘルプデスク業務を自動化するスタートアップConsoleを5億ドル(現金と株式)で買収したことが、複数の関係者への取材で明らかになった。ConsoleはPalo Alto NetworksのセキュリティプラットフォームCortexに統合され、自然言語ベースのアラート調査・解決機能を強化する見込みだ。

わずか2年で3倍のイグジット

Consoleは2024年に創業したばかりのスタートアップだ。シード6.2百万ドル、シリーズA 2,300万ドルを合わせた累計調達額は2,900万ドルにとどまり、買収前の評価額は1億5,700万ドルだったとされる。今回の5億ドルでの買収は、その評価額から約3倍のリターンを投資家にもたらした計算になる。創業からわずか2年でのイグジットは、AIエージェント領域における企業買収の加速ぶりを象徴する事例といえる。

パスワードリセットや権限付与を人手を介さず処理

Consoleが手がけるのは、ルーチン的なITヘルプデスク業務をAIエージェントが自動処理する仕組みだ。具体的には、パスワードのリセット、FigmaやMiroといった業務アプリへのアクセス権限付与、基本的なトラブルシューティングなどを、人間の直接介入なしに実行する。従来はIT部門の担当者が個別に対応していた定型業務を、AIエージェントが代行する形になる。

この機能がPalo Alto NetworksのセキュリティオペレーションプラットフォームCortexに組み込まれることで、セキュリティチームは自然言語での指示によってアラートの調査や対応を進められるようになる見込みだ。

セキュリティ企業によるAIエージェント買収が加速

Palo Alto Networksにとって、この買収は2026年に入って7件目の買収案件となる。セキュリティ企業がAIエージェント関連のスタートアップを相次いで取り込む動きは、社内の運用業務そのものをAIエージェントに委ねる流れが本格化していることを示している。

IT部門やセキュリティチームの人手不足が慢性化する中、定型業務をAIエージェントに任せることで人的リソースをより高度な判断業務に振り向けたいという企業ニーズは強い。今回の買収は、そうしたニーズに応える製品を持つ小規模スタートアップが、大手セキュリティベンダーの傘下に次々と収まっていく構図を改めて浮き彫りにした。