Roblox がゲーム制作プロセスを根本的に変える新機能を発表しました。「Build」と名付けられたこの機能により、ユーザーは複雑なプログラミング知識なしに、テキストプロンプトだけでゲームを生成・カスタマイズできます。

「Build」機能の仕組み:テキストからゲーム誕生まで

基本的な流れ: ユーザーが英語でゲームのコンセプトを入力します。例えば「Let’s make a cozy adventure game set in a dense forest」(森の中での居心地の良い冒険ゲームを作ろう)と入力すれば、AI が自動的に以下を生成します。

  • ゲームプレイメカニクス(移動・ジャンプ・相互作用の方式)
  • 環境(森、洞窟、建物などのビジュアル)
  • キャラクター(プレイヤーキャラ、NPC)
  • ビジュアルスタイル(グラフィックの雰囲気)
  • サウンド(背景音、効果音)

その後、ユーザーが生成されたゲームをカスタマイズし、友人と共有できます。

AI による自動生成の実装

Roblox は、オープンソースモデルと自社開発 AI の組み合わせでこの機能を実現しています。具体的には:

ゲーム設計の AI:ゲームプレイの流れ、難度調整、バランスを自動判断 ビジュアル生成:3D モデルやテクスチャを自動作成 コード生成:Lua スクリプト(Roblox ゲームの制御言語)を自動生成

すべての処理が AI 側で行われるため、クリエイターはゲーム「デザイン」に専念でき、実装の手間が大幅に削減されます。

ロールアウトスケジュールと年齢制限

テスト開始:2026 年 7 月 28 日 テスト対象地域:ニュージーランド(限定的なテスト) 年齢制限

  • 9 歳以上:ニュージーランドでのテスト参加(年齢確認必須)
  • 16 歳以上:グローバル公開時の対象ユーザー
  • 親の同意が必要な場合がある

年齢制限を設けている理由は、ゲーム制作への「責任感」と「不適切コンテンツ生成のリスク」に対応するためです。

低品質ゲーム氾濫への対策

AI がゲームを自動生成できるようになると、同時に「つまらないゲーム」や「完成度の低いゲーム」も大量に発生する懸念があります。Roblox は、この問題に先手を打つ対策を用意しています。

プレイ継続率によるランク付け: Roblox は生成されたゲームを「プレイヤーが実際にどのくらい継続してプレイしたか」を基準に自動評価します。長く遊ばれるゲーム=高品質と判定し、ホームページで目立つ位置に表示。逆に、すぐに飽きられるゲームは検索結果や推奨に出にくくなります。

つまり、「AI が生成した」という事実よりも、「実際のプレイヤー行動」がゲームの価値を決める仕組みになっています。

ビジネスモデル:無料版と有料オプション

無料版:テキストプロンプトからのゲーム生成、基本的なカスタマイズ 有料オプション:より複雑なゲーム設計、高度なカスタマイズ、AI アシスタント機能などを検討中

Roblox は、ゲーム制作の「エントリーバー」を下げることで、プラットフォーム上のゲーム数増加と、クリエイター育成を両立させようとしています。

誰が使うのか、何が変わるのか

ゲーム制作の民主化: これまでゲーム開発には、プログラミング知識が必須でした。Build 機能により、クリエイティブなアイデアがあれば誰でもゲーム開発者になれます。

Roblox プラットフォームの拡大: 低い参入障壁により、ゲーム作成者の数が爆発的に増加する可能性があります。同時に、プラットフォーム上の総ゲーム数も急増。

新世代クリエイター育成: 9 歳からゲーム制作に挑戦できるようになることで、次世代のゲームデザイナーやプログラマー育成の場になるかもしれません。

課題と注視点

品質管理:大量生成されるゲームの中から、本当に遊ぶ価値があるゲームを見つけるのが難しくなる可能性があります。

コンテンツポリシー:AI が暴力的・不適切なコンテンツを生成しないよう、フィルタリング機構の強化が必須です。

開発者の収益モデル:AI が簡単に大量のゲームを生成できるようになると、個々のゲームの「希少性」が下がり、クリエイターの収益化モデルに影響する可能性があります。

Roblox の Build 機能は、ゲーム制作の新しい時代を象徴しています。利便性と品質のバランスをどう取るかが、この機能の成否を左右するでしょう。