xAIに新たな集団訴訟、Grokの訓練データに児童性的虐待画像使用の疑い
イーロン・マスク氏率いるxAIに対し、Grokの「ヌード化」機能の訓練に児童性的虐待画像(CSAM)が使われたとする集団訴訟が米カリフォルニア北部地区連邦地裁に提起された。原告はFBIが把握する被害者。
イーロン・マスク氏が率いるxAIに対し、AIチャットボット「Grok」の画像生成機能をめぐる新たな集団訴訟が米カリフォルニア北部地区連邦地裁に提起された。原告は、自身が児童だった当時の性的虐待画像がGrokの訓練データに使われ、さらにその画像を基にAIが新たな性的虐待画像を生成したと主張している。
訴訟の内容
訴訟は2026年8月27日付けで提起された。主任原告として匿名の「Jane Doe 1」が名を連ねる。同原告は、FBIの児童搾取通知プログラムが継続的に把握してきた児童性的虐待の被害者だとされる。訴状によれば、投資調査報道を通じて同原告に関する児童性的虐待画像がxAI社内に存在することが判明し、さらにGrokがその画像を基に新たな画像を生成したという。
原告側は、xAIのポリシー上「X上に公開投稿されたすべてのコンテンツおよびGrokが生成した出力はすべて訓練対象とみなされる」という仕組みに着目し、Grokが生成した児童性的虐待画像がシステムに再入力されることで被害が自己増殖的に拡大する構造になっていると主張する。訴訟には同様の被害を訴える「数千人」規模の原告団が参加しているとされ、金銭的損害賠償に加え、xAIに対し公開されているものだけでなく訓練に使用され得るすべてのGrok生成コンテンツの破棄を求める差し止め命令を要求している。
競合他社との対比、マスク氏の過去の発言
訴状は、他の主要AI企業が画像生成における児童保護のための安全対策を講じてきたのに対し、xAIは「その逆」を行い、ヌード化機能をX本体に直接組み込んだと指摘する。原告側弁護士のマーガレット・E・メイビー氏は「所有、製造、配布はすべて犯罪であり、AIは連邦の児童保護法の例外にはならない」と述べている。
マスク氏は過去に、Grokが「未成年の裸体画像を生成したことは一切認識していない、文字通りゼロだ」と発言していた。xAIは今回の訴訟についてコメント要請に応じていない。
業界への影響
Grokをめぐっては、2026年1月にも短期間で多数の性的画像が生成され、うち2万3000件超に児童関与の疑いがあるとする調査結果が報じられていた。今回の訴訟は、単なる生成物の問題にとどまらず「訓練データそのものに児童性的虐待画像が含まれていたか」という、AI企業の責任範囲をより根本から問う内容になっている。判決や和解の内容次第では、生成AI企業が自社サービスの生成物を再学習データとして扱う際の安全基準に、業界横断的な見直しを迫る可能性がある。