Alibaba の Qwen チームは先週、テキスト音声変換(TTS)モデル Qwen Audio 3.0 TTS Plus をリリースした。音声生成品質の国際的ベンチマークである Artificial Analysis の Speech Arena で首位を獲得したことが報道されている。

性能と言語対応

Qwen-Audio-3.0-TTS-Plus は、Speech Arena リーダーボードで Elo スコア 1,236 を記録。2位の Simba 3.2(1,234)をわずかに上回った。国際対応も広く、16言語をサポート。タガログ語やベトナム語、マレー語など一般的でない言語も含まれており、多言語音声生成の需要に応える設計になっている。

独自機能――ボイススタイル調整

このモデルの特徴は、ユーザーが自然言語でスピーキングスタイルを制御できること。「[angry]」や「[giggles]」といったタグを指定するだけで、非言語的な感情表現が追加される。ボイスクローニング機能ではノイズの多い音声にも対応し、品質が保たれる。

価格――$27.60 per million characters

Alibaba Cloud Model Studio を通じて利用可能。料金は毎百万文字あたり $27.60。競合製品と比較すると、音声品質ではリードしているが、他の要素で課題を抱える。

処理速度が最大の弱点

ベンチマークで1位を獲得した一方、処理速度は大きな課題を残している。毎秒わずか 16文字 の処理速度は、競合の Sonic 3.5(毎秒120文字)および Simba 3.2(毎秒30文字)に大きく劣る。リアルタイム音声生成やライブストリーミング用途には、この速度は実用的ではない。

Alibaba は品質とスピードのトレードオフに直面しており、今後のアップデートで速度改善が重要な課題となるだろう。当面は、リアルタイム性より音声品質を優先する文字音声化アプリケーション向けの採用が見込まれる。