Meta、AI人員削減計画「Project OT」を撤回、従業員反発とエージェント技術の停滞が要因
Metaが内部で進めていた最大60%規模のチーム縮小計画「Project OT」を撤回していたことが判明。AIエージェントの生産性向上が想定より遅く、従業員の反発も強まっていた。
Metaが社内で進めていた大規模な人員削減計画「Project OT」を撤回していたことが、Reutersの報道で明らかになった。多くのチームを人間の少人数グループとAIエージェントの組み合わせに置き換える構想だったが、従業員の反発と、AIエージェントの生産性が想定に届かなかったことが撤回の主な要因だ。
最大60%縮小、AI労働者を少数チームが監督する構想
内部文書によると、Project OTは多くのチームの人員を最大60%削減し、残った業務は仮想的なAI労働者を監督する少数の「才能密集型」人材グループに割り当てる計画だった。Metaは今年5月に第1弾の削減を実施しており、11月には第2弾を予定していた。
5月19日夜、削減開始の数時間前に中止
Reutersによれば、5月19日の夜、最初のレイオフが始まる数時間前に、CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は11月に予定していた2回目の削減の波を中止した。ザッカーバーグ氏は7月、AIエージェント技術の進展が「予想したほど速く加速していない」ことを認めている。
撤回の背景には、AIエージェントによる業務代替が期待した生産性向上を生まなかったという技術的な要因に加え、従業員の反発も大きく影響した。従業員の間では、マウスの操作やキーストロークを追跡するソフトウェアが自分たちの仕事を代替するAIの訓練に使われていると受け止められ、社内で大規模な抗議が起きていた。
投資家の圧力とAI導入の現実的な限界
巨額のAI予算に対する投資家からの批判も、経営判断に影響したとみられる。Metaは2026年に入ってからAIインフラへの投資を優先する組織再編を繰り返してきたが、Project OTの撤回は、AIエージェントによる大規模な人員代替が現時点では技術的に難しいことを示す事例といえる。
企業がAI導入を急ぐ一方で、従業員の受け止め方や技術の実力とのギャップが表面化するケースは今後も増えそうだ。Metaのような先行企業での撤回事例は、同様の計画を検討する他社にとっても参考材料になるだろう。