OpenRouter が Series B で 1.3B ドル評価へ、1年で 2 倍以上——マルチモデルプラットフォームの急成長
AI API ゲートウェイの OpenRouter が CapitalG 主導の Series B で $113 million を調達、約 $1.3 billion のポスト評価に到達。6 ヶ月で 5 倍の利用成長を記録し、ベンダーロックイン回避需要の高まりを示す。
OpenRouter は 2026 年 5 月、$113 million の Series B ラウンドを成功させた。CapitalG(Alphabet の成長投資部門)がリードした今回のラウンドは、企業評価を約 $1.3 billion に押し上げた。1 年前の Series A($547 million 評価)からわずか 12 ヶ月での 2 倍以上の成長である。
급성장の背景
OpenRouter の成長を支えるのは、急速な利用拡大だ。同社によれば、過去 6 ヶ月の週間トークン処理量は 5 trillion から 100 trillion へと跳ね上がった。つまり 5 倍の成長である。
月間トークン処理量では 100 trillion に達し、グローバルユーザー数は 800 万人を超えている。スタートアップとしての成長速度としては驚異的だ。
ビジネスモデルの強さ
OpenRouter のビジネスは単純にして強力である。同社は 400 以上の AI モデルへのアクセスを一つのゲートウェイで提供する。ユーザーは OpenAI、Anthropic、Google、xAI、DeepSeek など、複数の企業のモデルに統一インターフェースでアクセス可能だ。
これは何を意味するか。従来、企業が複数の LLM を使い比べようとすれば、各社の API ドキュメント、請求管理、認証体系を個別に構築する必要があった。OpenRouter はこの複雑性を抽象化し、一本の統合インターフェースで成立させた。
ベンダーロックイン回避の需要
この成長は、企業間の重要な意識の変化を映し出している。大規模企業の開発チームは、一つの LLM ベンダーへの依存を避けたいと考えている。
OpenAI の ChatGPT に投資してきた企業でも、いざというときは Anthropic の Claude や Google の Gemini へ簡単に切り替えたい。コスト最適化のため、モデルごとの価格差を活用したい。OpenRouter はこうした需要を満たす。
競争環境の転換
5 月の時点で、OpenAI も Google も独立した API ゲートウェイの台頭をいかに見ているか。表面上は「統合プラットフォーム」というニュートラルな文脈だが、実態はモデル選択の民主化である。
Series B の成功は、エンタープライズ層が「マルチモデル時代」の到来を認めたことを示す。単一ベンダーの支配から、複数の選択肢を平等に評価する体制へ。OpenRouter の評価の上昇は、その流れの具現化にほかならない。
次のステップ
$1.3 billion の評価にも、まだ続きがある。今後 OpenRouter が何をするか——モデル数の拡大か、新しい機能の追加か、それとも地域別の展開か。Series C への道のりは、AI インフラストラクチャの競争地図をさらに書き替える可能性を秘めている。