Adobe が Creative Cloud の複数アプリケーションに生成 AI エージェント「Creative Agents」を展開を発表しました。ユーザーが実現したい目的や望む状態を説明するだけで、複雑な多段階タスクが自動で実行される仕組みです。デザイナーやビデオ編集者の日々の業務が大きく変わる可能性があります。

Creative Agents とは何か

Creative Agents は、ユーザーの指示を理解し、複数ステップの反復的な作業を自動実行する AI エージェントです。従来の「生成 AI 機能」が「1つの操作(画像を生成する、テキストを書く)」に限定されていたのに対して、Creative Agents は「複数のステップを含むワークフロー全体」を自動化します。

たとえば Photoshop では、ユーザーが「異なる背景に対応した複数バージョンをリサイズして生成してほしい」と指示すれば、背景交換・複数プラットフォーム向けサイズ調整・ファイル保存まで、エージェントが自動で進めます。

対応アプリと具体的な機能

パブリックベータとして以下のアプリに対応しています(プライベートベータ含む)。

Premiere(ビデオ編集)

  • ラフカットの自動作成
  • 複数クリップの一括名前変更
  • マーカー設定の自動化

Photoshop(画像編集)

  • 背景の自動交換・カスタマイズ
  • 複数プラットフォーム向けのリサイズ・書き出し
  • レイヤー整理・グループ化

Illustrator(ベクター作成)

  • スプレッドシートから複数バージョンのファイル自動生成(テンプレートをベースに50個以上の異なるバージョンを一度に作成)

InDesign(レイアウト・印刷)

  • 新しいブランド資料に基づくレイアウトの自動更新

Frame.io(動画コラボレーション)

  • レビュー・フィードバック処理の自動化

After Effects(モーショングラフィックス)

  • プライベートベータでテスト中

ChatGPT・Claude との統合により、チャットからの操作も可能

Adobe はこれらのエージェント機能を、OpenAI の ChatGPT、Anthropic の Claude、Microsoft 365 Copilot に組み込んでいます。つまり、チャットインターフェースから「Photoshop でこの画像を編集して」と指示するだけで、エージェントが Adobe アプリ側で作業を実行するという流れが実現します。

さらに Google Gemini および Slack との統合が予定されており、ワークフロー自動化がより多くのプラットフォームに広がる予定です。

ビジネス・クリエイティブ業界への影響

この変化の意味は大きいです。

  • 時間の節約: 定型的な反復作業が自動化され、創造的な部分に時間を割ける
  • スキル障壁の低下: 複雑な編集技法を知らなくても、指示するだけで実現可能
  • ワークフロー統合: チャットツールから直接 Adobe アプリを操作でき、コンテキストスイッチが減少

一方、「品質管理」「データセキュリティ」「著作権確認」は依然として人間の判断が必要です。エージェントが自動実行した内容を検証・承認する工程は、プロフェッショナルワークフローに組み込まれることになるでしょう。

今後の展開

Creative Agents はパブリックベータの段階にあり、フィードバックに基づく改善が予定されています。価格体系は未発表ですが、ChatGPT・Claude・Slack といった外部プラットフォームとの連携拡大により、クリエイティブツールの使い方が大きく変わる転機になる可能性があります。