Anthropicが、英国のAIインフラ企業Nscaleとの間で6年間・450億ドル規模の計算力調達契約を締結した。西バージニア州にあるNscaleのデータセンターから、Nvidiaの新型チップ「Vera Rubin」を搭載した計算資源を確保し、2027年後期から次世代モデルの学習に投入する計画だ。

460メガワット規模、家庭34万5000世帯分の電力に相当

契約の規模は約460メガワットの電力に相当し、これは米国の一般家庭約34万5000世帯が同時に使用する電力量に匹敵する。Nvidiaの「Vera Rubin」は6種類の異なるチップが連携して動作する新設計のシステムで、現時点でのチップ設計の最先端に位置づけられる。サービス提供の開始は2027年後期を予定している。

Nscaleは今回のデータセンター拡張にあたり、American Intelligence & Power Corporationを買収して西バージニア州に2250エーカーの敷地を確保した。同社によれば、このキャンパスは最大8ギガワット超の電力供給能力を持ち、Caterpillarとの協力により2028年上半期までに2ギガワットの発電能力を実現する計画だという。

8カ月で4件目の大型計算力調達

今回の契約は、Anthropicが過去8カ月間に結んだ大型計算力調達の中でも最大規模となる。同社は今年に入り、5月にSpaceXと月額12億5000万ドル規模の契約、7月にAMDと50億ドル規模の契約、8月上旬にはAI クラウド企業Voltaと100億ドル規模の契約を相次いで結んでおり、Nscaleとの450億ドル契約はこの流れの延長線上にある。

モデル開発競争を左右する計算資源の確保

AI開発企業にとって、学習用の計算資源をどれだけ早く・大量に確保できるかは、次世代モデルの性能と開発スピードを左右する要因になっている。OpenAIをはじめとする競合他社も同様に大規模な計算力の調達を進めており、AI企業間での計算資源の争奪戦は今後さらに激しくなる見通しだ。

Anthropicが確保する計算力は自社での利用にとどまり、一般ユーザーが直接触れる新機能ではない。だが、今回のような大規模な学習基盤の拡張は、Claudeの次期モデルの学習速度や規模に直結する投資であり、今後発表されるモデルの性能向上を占う材料の一つになる。