OpenAIでデータセンター責任者が退職、年初来の幹部退社は13人に
OpenAIのデータセンター責任者クリス・マローン氏が退職した。年初からの幹部退社は13人に達し、IPOを2027年に控える中、組織再編と昇進停滞が背景にあるとみられる。
OpenAIでデータセンター部門の責任者クリス・マローン氏が退職した。TechCrunchによると、マローン氏の退職により年初からOpenAIを去った幹部は13人に達し、IPOを2027年に控える同社の経営体制の変動が続いている。
1年3カ月での退職、報告ラインは既に変更済み
マローン氏はGoogleに10年以上、Metaに約5年在籍した後、2025年3月にOpenAIへ入社した。データセンター責任者としての在籍期間は約1年3カ月にとどまる。同氏の報告先は、グレッグ・ブロックマン会長からサチン・カッティ副社長へと既に変更されており、退職前からインフラ部門の指揮系統が再編されていたことがうかがえる。
OpenAIはインフラ組織の再編を明らかにしており、新体制ではUday Ruddarraju氏、Brent Mayo氏、Spas Lazarov氏の3人が複数のリーダーシップポジションを分担する。同社はStargate Projectをはじめとするデータセンター投資に巨額を投じており、5億ドル規模の投資判断が進行中だ。
年初来13人、右腕格のフィジ・シモ氏らも離脱
マローン氏の退職は単発の出来事ではない。TechCrunchの分析記事によれば、サム・アルトマンCEOの右腕とされたフィジ・シモ氏、COOのブラッド・ライトキャップ氏、最高収益責任者(CRO)、最高マーケティング責任者(CMO)のケイト・ロウチ氏など、年初から少なくとも13人の経営幹部が退社した。
退職理由は一様ではない。健康上の理由を挙げる者もいれば、収益性の低い「副プロジェクト」の縮小に伴う組織再編が背景にあるケースもある。加えて、ブロックマン会長の権限拡大により幹部の昇進機会が停滞していることも一因として指摘されている。
事業は好調、IPO控え組織の求心力が焦点に
事業自体は堅調だ。デスクトップアプリの利用者数は過去2カ月で約1500万人増加し、最新モデルのGPT-5.6も展開済みで、OpenAIは2027年のIPOを見込んでいる。事業好調の裏で幹部流出が続く構図は、収益拡大と組織の求心力維持という二つの課題を同時に抱えていることを示す。
競合のAnthropicなどとの人材獲得競争が激しさを増す中、IPO準備の最終局面で経営陣の安定性をどう確保するかが、投資家の評価に直結する焦点になりつつある。