ブリティッシュコロンビア州がOpenAIとアルトマン氏を提訴、銃乱射の警察未通報を追及
カナダのブリティッシュコロンビア州が、Tumbler Ridgeの学校銃乱射事件をめぐりOpenAIとサム・アルトマンCEOをサンフランシスコ連邦地裁に提訴した。州政府による初の提訴となる。
カナダのブリティッシュコロンビア州政府が、OpenAIとサム・アルトマンCEOをサンフランシスコの連邦地裁に提訴した。州が2月にTumbler Ridgeの高校で起きた銃乱射事件について、被害者遺族ではなく州政府自らが原告となって訴訟を起こすのは今回が初めてだ。
州が主張する責任
訴状は月曜、サンフランシスコの連邦地裁に提出された。州側は、地元警察に対して加害者がChatGPTを使って犯行を計画していたことを警告していれば、銃乱射は防げた可能性があると主張している。州は損害賠償に加え、暴力につながりかねないChatGPTの会話への対応方法を変更するよう命じることも求めている。
2月の事件では9人が死亡し、その大半が子どもだった。加害者のJesse Van Rootselaar容疑者は、銃暴力に関する会話をめぐりOpenAIの安全チームによって2025年6月の時点ですでにフラグを立てられていたが、同社は警察に通報しなかった。
アルトマン氏の謝罪と「未履行の約束」
訴状によると、OpenAIの安全チームは警察への通報を推奨したが、アルトマン氏を含む経営陣がこれを退けたとされる。この経緯は、銃乱射後にウォール・ストリート・ジャーナルへ内部告発者が証言したことで明らかになった。アルトマン氏は4月、警察に連絡しなかったことについて「深く申し訳なく思う」との書簡を公表し、再発防止策を約束した。しかし訴状は、州司法長官が働きかけを続けたにもかかわらず、その約束は実行されなかったと指摘している。
OpenAI広報のDrew Pusateri氏は、Tumbler Ridgeの事件を「言葉にならない悲劇」とした上で、「政府や法執行機関と引き続き協力し、安全性向上の取り組みを進めていく」とコメントした。
州政府が負った費用、相次ぐ訴訟の一つに
事件が起きた学校は現在解体作業が進められており、州は代替校舎の建設費やメンタルヘルスケアなど、事件による費用の負担を強いられてきたと訴状は説明している。
ブリティッシュコロンビア州の提訴は、9月2日に被害者遺族ら30人以上がカリフォルニア州で起こした一連の訴訟に続くものだ。ChatGPTが暴力に関与したとする訴訟は米国内の州・連邦裁判所で相次いでおり、フロリダ州立大学での銃乱射事件に関連する訴訟も含まれる。6月にはフロリダ州が、ChatGPTの安全性について虚偽の説明をしたとして、州として初めてOpenAIを提訴している。
州政府自らが原告として名乗り出たことで、OpenAIが負う法的責任の範囲や、AI企業に対する安全対策の義務化をめぐる議論に、新たな争点が加わることになる。