Manus、Metaとの買収破談後に独立運営再開 5億ドル調達で評価額40億ドル目指す
中国AIエージェントスタートアップのManusが、中国政府の介入で頓挫したMeta買収の後、独立運営を再開。新規5億ドル調達で評価額40億ドルを目指す。
中国発のAIエージェントスタートアップ、Manusが独立運営の再開を宣言し、新たに5億ドルの資金調達を検討していることが明らかになった。目標とする企業価値は40億ドルで、IDG Capital、Boyu Capital、Contemporary Amperex Technology(CATL)のほか、既存投資家のTencent、HSG、ZhenFundが出資に参加する見込みだ。香港での新規株式公開(IPO)も選択肢として検討しているという。
Meta買収が頓挫した経緯
Manusは2025年12月、Metaによる約20億ドルでの買収に合意していた。しかし2026年4月、中国政府が輸出管理および対外投資規制への抵触を懸念してこの取引をブロック。その後8月にはユーザーデータの削除が通知され、9月に入って独立運営の再開が正式に宣言された。買収が破談した際の株式買戻し時点での評価額は約20億ドルだったとされ、今回の調達目標である40億ドルはその2倍にあたる。
Manusは買収合意時点で年間経常利益が1億ドルを超えていたとされ、AIエージェント分野で一定の収益基盤を確立していたスタートアップだった。
中国のAI人材・技術流出規制が背景に
今回の買収ブロックは、中国政府が自国発のAI技術・人材が海外企業の傘下に入ることへの警戒を強めている流れの一環とみられる。Manusを含む中国AIスタートアップの経営陣や技術者に対しては、渡航制限がかかる事例も報じられており、国家戦略としてAI人材の国内定着を図る動きが背景にある。
Metaにとっては、有力なAIエージェントスタートアップを取り込む計画が規制によって頓挫した形となり、米中間のAI覇権競争が個別企業のM&A(合併・買収)戦略にも直接影響を及ぼしていることを示す事例といえる。
独立路線でのIPOも視野に
買収破談後、Manusは自社ブランドでのプロダクト展開を継続しながら、新たな資金調達によって独立企業としての成長を加速させる方針とみられる。香港IPOが実現すれば、中国政府の規制圧力下でも海外資本市場へのアクセスを確保しつつ独自路線を歩む中国AIスタートアップのモデルケースとなる可能性がある。