米連邦調達庁(GSA)とOpenAIは9月10日、政府機関向けChatGPT提供の新契約「OneGov」を発表した。プラットフォームの利用ライセンス料は無料のまま、トークン使用量に応じた従量課金へ移行し、対象を連邦・州・地方・部族機関の職員約2300万人にまで広げる。契約期間は10月1日から2028年12月31日までの27カ月間で、これまでの年1ドルという定額パイロット契約から仕組みを大きく変える。

何が変わるのか

新契約では、通常1ユーザーあたり月額15ドルのライセンス料が無料になる一方、実際のトークン使用量に対しては50%の割引を適用する。プラットフォームアクセス料や最低注文数、支出コミットメントは設けない。GSA担当者はNextgov/FCWの取材に対し、「機関がAIを日常業務に組み込むようになった以上、使用量に応じたアクセス提供が次の論理的なステップだ」と説明している。

これまでの1年1ドルのパイロット契約は連邦職員350万人を対象にしており、OpenAIによれば累計14億ドルのコスト削減効果を生んだという。今回はこの対象を、州・地方・部族機関を含む2300万人規模まで一気に拡大する。現時点でChatGPTにアクセス可能な政府職員はすでに100万人を超えている。

従量課金化がもたらす影響

これまでのように利用量にかかわらず一律の低額契約だった仕組みから、実際の使用量に応じて費用が変動する仕組みへの転換は、利用が拡大する組織ほど支払いが増える可能性を意味する。Nextgov/FCWの報道では、各機関が今後ChatGPTの利用継続や利用範囲を改めて検討する必要が出てくるとの見方を伝えている。OneGovプログラム全体では、AI関連契約だけで14億ドル、政府調達全体では16億8000万ドルの節減効果が報告されており、価格体系の見直しはこの実績を踏まえた上での軌道修正といえる。

なお、AnthropicのClaudeやGoogleのGeminiが結んでいるOneGov契約も同じく月末で満了を迎える予定で、各社が政府向け契約をどう更新するかが今後の焦点になる。

読者への影響

一般ユーザーが直接触れる契約ではないが、政府機関でのAI活用が「試験導入」から「継続運用を前提にした本格導入」の段階に移りつつあることを示す動きだ。使用量に応じた課金体系への移行は、AI企業が政府向け提供を長期的な収益源として位置づけ始めたことの表れでもあり、今後は自治体や公共サービスの現場でChatGPTを使う機会がさらに広がる可能性がある。