OpenAIの経営層に動揺が広がっている。わずかな期間に3人の幹部が離職を発表し、同時に事業の大規模な再編成が進行中だ。

離職した3名の幹部

Kevin Weil (元チーフプロダクトオフィサー)は、研究者向けのAIツール開発を担当する「OpenAI for Science」部門をリードしていた。この部門は解体され、Prismツールとそのチームはコーディング製品「Codex」に統合される。

Bill Peebles は動画生成モデル「Sora」の開発を主導していたが、OpenAIが計算資源不足を理由にSoraアプリの廃止を決定した直後の離職となった。

Srinivas Narayanan (B2B Applications CTO兼APIエンジニアリング責任者)は個人的な理由から退職。両親の介護を優先したいとしており、次のキャリアは未定とのこと。

経営の透明化 vs. 経営判断の正当性

3人の幹部が相次いで去ることは、組織の結束力について問い直されるきっかけになる。Weilとpeeblesの離職はOpenAIが「コンシューマーサイドの月光族」から「エンタープライズ顧客とコーディングソリューション」へ戦略軸足を転換していることを象徴している。

Anthropicとの競争が激化するなか、OpenAIは散逸していた複数アプリケーション(PrismとAtlasブラウザなど)を「スーパーアプリ化」して統合しようとしている。

取捨選択の時代

Soraの廃止はOpenAIにとって大きな決断だ。動画生成は「生成AIの次のフロンティア」とも見なされてきたが、計算資源の枯渇と投資対効果の現実に直面して優先順位を下げざるを得なかった。

OpenAIが今打つべきカードは、Anthropic ClaudeやGoogle Gemmaeへの対抗として「エンタープライズ向けAIアシスタント」と「開発者向けコーディングツール」の二大柱。人員と計算資源をそこへ集約させるという判断は、経営の合理性を示す一方で、野心的なプロジェクトを失わなければならない重い代償を伴っている。