スタートアップの Vocci が、指輪型の会議メモ取りデバイス「Vocci Ring」を249ドルで発売した。ペンダント・ピン・カード型が主流だったAIノートテイキング市場に、指輪という新しいフォームファクターを持ち込んだ。

製品の仕様

Vocci Ring はチタン製で重さ6グラム未満、IP67の防水性能を持つ。1回の充電で8時間の連続録音が可能で、付属の充電ケースを使えばさらに3回分の充電を確保できる。操作はダブルタップで録音の開始・停止、長押しでAIへの質問機能を呼び出すシンプルな設計だ。

録音した音声は100以上の言語に対応した自動文字起こしにかけられ、話者ラベル付きでテキスト化される。アプリ内は「Chat」「Highlights」「Notes」の3セクションに分かれており、会話全体のトランスクリプト、要点の短いスニペット、AIが生成した要約をそれぞれ確認できる。Claude、Notion、Slackなど1000以上のツールとの連携も謳う。

競合との位置づけ

会議メモ取りデバイス市場にはすでに Plaud や Pocket といった低価格帯の製品、Pebble の「Index 01」や Sandbar の「Stream」といった指輪型・ウェアラブル型の競合が存在する。Vocci Ring の249ドル(通常価格299ドル)は、これら競合と比べて高めの価格設定だ。

TechCrunch のレビューでは、AIが生成する要約が元のメモより長くなるケースがあり、短時間の簡単なメモ取りには不向きだと指摘されている。また指輪という見た目が通常のジュエリーと区別しにくく、録音ボタンの存在に気づかれにくいというプライバシー上の懸念も挙げられた。

読者への影響

指輪型はペンダントやピン型と違って常時身に着けやすく、会議中に取り出す動作が不要という利点がある。一方で「誰が録音しているか分かりにくい」という課題は、AIウェアラブル全般が抱える論点でもある。会議メモ取りツールを検討する際は、記録の同意取得や社内ポリシーとの整合性も併せて確認する必要がある。