Google DeepMindがAGI研究の新機関「DeepMind Institute」を設立
Google DeepMindが人工汎用知能(AGI)の安全性・ガバナンスを議論する学際的機関を設立した。Demis Hassabis氏らが率い、Shane Legg氏は2028年までのAGI到来確率を50%と述べている。
Google DeepMindは、人工汎用知能(AGI)の安全性やガバナンスを議論する学際的なプラットフォーム「DeepMind Institute(DMI)」を設立したと発表した。技術者だけでなく人文科学や政策分野の専門家も交え、AGIが社会にもたらす影響を多角的に検討する場と位置づけている。
設立の狙いと体制
DMIは、Google DeepMindやGoogle、そして世界の科学コミュニティの研究者を集めた研究・議論のプラットフォームだ。ディレクターにはノーベル賞受賞者でGoogle DeepMindの共同創業者兼会長であるDemis Hassabis氏、Chief AGI ScientistのShane Legg氏、President of Research, Labs, Technology & SocietyのJames Manyika氏が就く。編集長はLegg氏が務める。
DeepMindはAGIを技術の問題としてだけでなく、サイバーセキュリティやバイオリスク、自己改善型システムによる制御喪失といった課題への対応として、芸術・人文科学・政策の視点を取り込む必要があると説明している。設立と同時に、機関紹介、推論の透明性、AGIに向けた経済政策、新しいユートピア主義の原則、フロンティアAIのフレームワークをテーマとした5本のエッセイシリーズを公開した。
AGI到来時期をめぐる見解の相違
DMIの発表と合わせて、AGIの到来時期についての幹部の見立てが明らかになった。Legg氏は「最小限のAGIが2028年までに到来する確率は50%」と述べている。Hassabis氏はAGIが数年以内に到来する可能性があるとの見方を示した。OpenAIのSam Altman氏はかねて2026年末までの実現もあり得ると主張しており、業界内でも時期予測には数年単位の幅がある。
読者への影響
DMIの活動は、AGIの安全性・ガバナンスに関する議論がGoogle DeepMind一社の内部検討にとどまらず、外部の研究者を巻き込んだ公開の場に移っていくことを示す。今後公開されるエッセイシリーズは、AGIに向けた経済政策やフロンティアAIのリスク管理の考え方を占う手がかりになる。エンジニアや政策担当者は、OpenAIやAnthropicなど他の主要研究機関がどのような形で追随するかにも注目することになりそうだ。