Hugging Faceが傘下のPollen Roboticsを通じて、399ドルのオープンソース二足歩行ロボット「Microduck」の予約受付を8月27日に開始した。高さ25センチ、重さ800グラムの小型ロボットで、強化学習によって新しい動作を自宅で教え込めるのが特徴だ。開発者向けのSDK、MuJoCoベースのシミュレーション環境、学習スタック一式がApache 2.0ライセンスでGitHub公開される。

出荷時から7つの動作を搭載

Microduckは15個のモーターを備え、よちよち歩き・着座・しゃがみ・物をくちばしで掴む・ローラースケート・転倒からの自立復帰など、7種類の動作をあらかじめ学習済みの状態で届く。くちばしはグリッパーとしても機能し、最大800グラムの物体を持ち上げられる。センサー構成はカメラ、8×8のToF方式LiDAR、マイク、スピーカー、2つのIMU(慣性計測装置)に加え、NFC・Wi-Fi・Bluetoothを搭載する。バッテリー容量は2,600mAhで、稼働時間はおよそ1時間だ。

sim-to-realで動作を自作できる

Microduckの設計思想は、強化学習の実験環境をシミュレーションから実機まで一気通貫で提供することにある。開発者はまずMuJoCo上の物理シミュレーションで新しい動作を学習させ、得られたポリシーをそのまま実機に転送する「sim-to-real」ワークフローを使う。転送後の挙動を見ながらシミュレーション側を調整し、再学習を繰り返して精度を高める運用が想定されている。オンボードの制御ループは50Hzで動作する。

価格と提供時期

予約価格は399ドル(税・送料別)で、初回出荷は2026年のクリスマス前を予定する。米国・カナダ・EU・英国・ノルウェー・スイス・日本・韓国での提供が予定されている。ロボット本体にはゲームコントローラーが同梱され、追加のカラーやアクセサリーパックは39〜119ドルで別売りされる。

物理AIの民主化という狙い

Hugging Faceは2025年4月にPollen Roboticsを買収し、会話AI向けロボット「Reachy Mini」を手がけてきた。Microduckはその延長線上にあり、CEOのClem Delangue氏は「強化学習で新しい技能を教えられる、初めての手頃な価格のAIロボット」と位置づけている。ロボット単体の販売にとどまらず、ソフトウェアスタック全体を公開することで、物理AIの実験を専門の研究機関以外の開発者にも広げる狙いがある。