AllSpark Researchが、オープンウェイトの検索エージェント「Iris-mini」と「Iris-pro」を公開した。ウェブ検索を自律的に実行し、複数ステップの推論をこなすモデルで、主要ベンチマークで同クラスのオープンウェイトモデル中最高性能を記録している。モデルの重みとコードはHugging FaceとGitHubで即日公開されており、開発者は今日から自分の環境で検索エージェントを動かせる。

技術仕様とベンチマーク結果

Iris-miniはQwen3.6-35B-A3B、Iris-proはQwen3.5-397B-A17Bをベースに、いずれもMoE(混合専門家)構成で256,000トークンのコンテキスト長を持つ。

ベンチマークでは、複雑なウェブ調査タスクを測るBrowseCompでIris-miniが82.2、Iris-proが88.6を記録した。知識と推論力を試すHumanity’s Last Examでもそれぞれ52.3、56.4を記録し、DeepSearchQAでも高水準の成績を収めている。Iris-proはより大規模な非公開システムにも匹敵する結果だとTHE DECODERは報じている。

訓練方法の特徴

AllSpark Researchは、ウェブのリンク構造から逆算してタスクを生成する手法を採用した。生成したタスクには2段階のフィルタリングをかけ、全体の正確性を確認したうえで、ステップごとの判断の妥当性も検証している。

訓練自体は教師あり微調整と強化学習を交互に繰り返す「SFT-RL climbing」という手法で進めた。すべてのコンポーネントを内製のQwenベースモデルで運用しており、外部APIへの依存を避けている点も特徴だ。

開発者への影響

GitHubのリポジトリには、エージェントループやツール呼び出し、コンテキスト管理戦略、評価用ベンチマークをまとめた「Irisハーネス」が含まれており、OpenAI互換のエンドポイントで動作する。モデル重みはHugging Faceで配布されており、自前のサーバーや既存の推論環境に組み込みやすい設計だ。

データ構築パイプラインと訓練コードの完全版は今後公開される予定で、現時点で手に入るのは事前学習済みモデルとハーネスのみとなる。THE DECODERによれば、訓練データと専門化したモデルの両方が、検索以外の一般的なツール使用やオフィス業務など、学習していないタスクでの性能向上にもつながったという。オープンウェイトの選択肢が手薄だった検索エージェント領域に、商用APIに頼らない実用的な代替肢が加わったことになる。